BASFは3月16日、韓国でのポリアセタール(POM)の製造に向け、Kolon Plastics との折半出資の合弁会社「Kolon BASF innoPOM, Inc.」を設立する契約を締結したと発表した。
BASFはLudwigshafen に50,000トンのPOMプラントを持ち、Ultraform®の製品名で販売している。
一方、Kolon は金泉に65,000トンのPOMプラントを持っており(後記)、Kocetal® の製品名で販売している。
JVは金泉に70,000トンの設備を新設する。新設備が2018年下半期に稼動すると、金泉の合計能力135,000トンとなり、世界最大のPOM製造コンプレックスとなる。
新設備稼働後は、BASFはLudwigshafenでのPOMの製造を中止する予定。
BASFとKolonは、JVの製品を両社それぞれの製品名とフォーミュレーションで世界中で販売する。
Kolon側は、世界をリードするKolon Plasticsの技術と効率性の高い既存のインフラ基盤が大きな相乗効果を生み出すとしている。
BASF側は、「POM市場は世界中で拡大しており、合弁事業により、高性能で革新的なスペシャリティ製品で需要家をサポートする能力が、特にアジアで強化されることになる」としている。
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Kolonの金泉のPOMプラントは元は東レ技術である。
Kolon Industries と東レは1996年、金泉市にポリアセタールの製造販売のJVの KTP Industries (Kolon Toray Plastics) を設立した。
当初は東レが30%、Kolon が70% 出資した。
東レ独自開発の簡略化された重合プロセスを採用し、ポリマーベースで20,000トンのプラントを建設した。
その後、1998年に東レが増資を全額引受け、東レ68.9%、Kolon 31.1%とした。
しかし、2008年6月に、東レはKTPへの出資を解消したと発表した。経営資源の集中による樹脂事業のコア(ABS樹脂、ナイロン樹脂、PBT樹脂、PPS樹脂等)での競争力強化および事業拡大戦略に鑑み、出資を解消することとした。
東レ撤退を受け、KTP Industries はKolon Plastics と改称した。
Kolonは2012年1月に生産能力を20,000トンから65,000トンに引き上げた。
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Kolon グループは韓国の財閥の一つで、1954年に李源万、李源千兄弟により設立された繊維貿易商・開明商事が基である。
1957年にKorea Nylon を設立し、日本から輸入したナイロン糸の布地加工からスタートし、ナイロン原糸の製造を始めた。1969年にはKorean Polyester を設立した。
その後、両社をKolon (Nylon) Industries、Kolon (Polyester) Industries と改称し、1981年に両社を合併して Kolon Industries とした。
別途、Kolon グループは1976年にKolon Chemical を設立し、石油樹脂からスタートし、SAP、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂に拡大したが、2007年6月にKolon Industries と合併した。
現在、Kolon Industries は、Chemical Material 部門で繊維、産業資材、フィルム、エレクトロニック資材、エンプラを、Performance Material 部門で石油樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂を扱っている。
なお、SAPについては、1985年に韓国科学技術院と共同で製造技術を開発し、1987年に仁川で商業生産を行なったが、2008年6月にLuckyにSAP事業を87百万ドルで売却した。
2008/6/30 韓国LG Chem、高吸水性樹脂に進出
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