国際石油開発帝石、インドネシア政府方針でLNG計画を大幅変更へ

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国際石油開発帝石(INPEX) がインドネシアで進めてきた大型海底ガス田Abadi LNG の開発計画が大幅な変更を迫られることになった。

INPEX はシェルと共同で、洋上にLNGプラントを浮かべるフローティングLNG(FLNG)方式で政府に認可を申請していたが、ジョコ大統領は3月23日、陸上に建設すべきだとする政府方針を決定した。INPEXは正式な通知を受けた上で今後の対応を検討すると発表した。

付記 INPEXは4月1日にインドネシア政府より陸上LNGによる開発計画の検討を求める内容の通知を受領した。

   今後、通知内容を精査し、早期開発を目指して当局と協議するとしている。

陸上案は、大半の設備を国外で組み立てることが想定される洋上案より、地元経済の刺激効果があるためと見られる。

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国際石油開発帝石(INPEX) は1998年11月にインドネシア政府の公開入札により Masela鉱区の100%権益を取得した。


その後、オペレーターとして探鉱作業を推進し、2000年に掘削した試掘第1号井によりAbadi ガス田を発見した。その後、6坑の評価井掘削を含むガス田評価作業を実施し、同ガス田にはLNG開発に十分な天然ガス埋蔵量を確認した。

参加権益比率はINPEXが90%(オペレーター)で、 インドネシアの有力エネルギー企業PT Energi Mega Persada社の子会社PT EMP Energi Indonesia(EMPI)が10%となった。

2010年12月に第一次として LNG年産250万トンをFLNG方式で開発する開発計画がインドネシア政府より承認され、その後、海底生産施設およびFLNGの基本設計作業を実施した。

2013年6月にEMPIの権益を買収し、INPEXが65%(オペレーター)、Shell 35% の体制となった。

2013年から2014年にかけて追加評価井3坑を掘削した結果、天然ガス埋蔵量の増大が確認され、インドネシア当局から認証を取得した。これを踏まえ、2014年にLNG能力を3倍の750万トンに拡大した「改定開発計画」の承認を申請した。

申請を受けたインドネシア政府の内部で意見が分かれた。

2015年9月に海洋担当調整省(Co-ordinating Ministry of Maritime Affairs)は陸上に建設すれば160億ドルで、洋上の場合の220億ドルにくらべ、60億ドルの節約になると主張した。

He added that the onshore LNG plant on Aru island - which will be linked by a 373-mile pipeline from the Abadi gas field - would result in savings on development spending compared to the FLNG scheme and produce economic spinoffs for the development of the surrounding region. - See more at: http://www.rigzone.com/news/oil_gas/a/143197/Indonesia_Not_Decided_on_Abadi_Dev_Scheme_Despite_Ministers_Claim#sthash.zjNi8Ljp.dpuf
He added that the onshore LNG plant on Aru island - which will be linked by a 373-mile pipeline from the Abadi gas field - would result in savings on development spending compared to the FLNG scheme and produce economic spinoffs for the development of the surrounding region. - See more at: http://www.rigzone.com/news/oil_gas/a/143197/Indonesia_Not_Decided_on_Abadi_Dev_Scheme_Despite_Ministers_Claim#sthash.zjNi8Ljp.dpuf

Abadiガス田から373マイルのパイプラインでAru 島に運び、陸上でLNGにすれば、コストダウンになるだけでなく、近辺の地域の経済発展にも役立つと主張した。

これに対し、エネルギー鉱物資源省と石油·ガス上流レギュレータ(SKK Migas)は、洋上なら148億ドルで、陸上より45億ドル安いと主張し、INPEXとShellも、計画が遅れることとコスト高を理由に、陸上案に反対している。

"We need to make a prudent decision for such a big project ... However, it will be decided soon," Johan said Tuesday. - See more at: http://www.rigzone.com/news/oil_gas/a/143197/Indonesia_Not_Decided_on_Abadi_Dev_Scheme_Despite_Ministers_Claim#sthash.zjNi8Ljp.dpuf

本年2月に、陸上案に賛成する海洋担当調整大臣(Co-ordinating Miniser of Maritime Affairs)が大統領が陸上案に決めたと発言したが、大統領報道官は、大統領はなお検討中であると述べた。地方経済への影響などを含め、両案を検討中であるとし、「このような大規模の事業は慎重に検討する必要がある。しかし、間もなく決定されるだろう」と述べた。

INPEXとShell は決定が遅れているため、現地の従業員を減らすと通告した。SKK Migasは、計画は少なくとも2年は遅れるだろうと述べた。

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