1) シンガポールに投資会社BMM Venture (S) Pte. Ltd を設立
東南アジアの化学品販売大手で175年の歴史を持つ Behn Meyer が51%、三井物産が49%を出資
2) ミャンマーに肥料の製造・販売及び輸入肥料販売を行う事業会社 Agri First Co.,Ltd.(AFC)を設立
BMM Venture (S) が60%、ミャンマーのMyanmar Agribusiness Public Corporation(MAPCO)が40%を出資
三井物産はBehn Meyer とは肥料・農薬分野で長年の取引関係がある。
MAPCOは2012年に設立された企業で、ミャンマー農業の発展に寄与する中核的な存在と目されている。
三井物産は、2013年2月にミャンマーでコメ事業への参入を発表、MAPCOとコメ事業で幅広く提携した。
三井物産とMAPCOは2013年9月に 、ミャンマーでコメとコメ製品を生産するため、Myanmar Japan Rice Industry を設立した。
三井物産が49%、MAPCOが51%出資した。トゥワンテ、ネピドー、チャイクレ、ラトパタンの4箇所に精米工場を建設、インドネシアなどのアジアやモザンビークをはじめとするアフリカ東部にコメを輸出する。
精米以外に、くず米を原料とする麺や米ぬかを使った食用油、油かすを利用した飼料も生産する
今回設立するAgri First は、ミャンマーのティラワ工業団地内に約12億円を投じて年間10万トン規模の粒状配合肥料の製造設備と倉庫等を建設する。
2017年5月の操業開始を目指しており、Behn Meyerが有する粒状配合肥料の製造・販売に関する知見と経験、MAPCOの国内農業従事者とのネットワーク、さらに肥料の原料開発、物流、販売事業に長年取り組んで来た三井物産のファイナンス・物流・調達・マーケティング機能を融合し、ミャンマーの農業の発展に貢献してい くとしている。
.. | ミャンマーには3つの経済特区計画がある。 北部のチャウピュー(Kyaukpyu)で中国が開発しており、既に中国向けの原油とガスのパイプラインが完成している。
ヤンゴン南部のティラワ(Thilawa SEZ)は日本が担当する。
南部のDawei SEZはタイが担当する。
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ミャンマーは日本の約1.8倍の国土、約2.8倍の農用地面積を有しており、二期作や二毛作に適した気候と水資源にも恵まれ、農業分野において高い成長が期待されてい る。
現在のミャンマーの肥料需要は100万トン超の水準で推移しており、農地面積や農作物の種類が似通っているベトナムやタイなどと比較すると、その規模は約5分の1程度にとどまっているため、今後の高い伸びが予想されてい る。
日本とミャンマーの国土と農用地面積
ミャンマー 日本 面積(万ha) 比率(%) 面積(万ha) 比率(%) 国土全体 6,766 100.0 3,780 100.0 農用地 1,259 18.6 455 12.0 出所:農林水産省ホームページ
三井物産は新中期経営計画で掲げた7つの攻め筋における事業展開に取り組んでいる。
ハイドロカーボンチェーン エネルギーの上流~下流、関連事業の展開 資源(地下 + 地上)・素材 資源採掘から素材加工、循環型社会構築への取組 食糧と農業 食糧増産と食の安定供給に貢献するソリューション提供 インフラ 国造りへの貢献とインフラを起点とするビジネスの広がり モビリティ 輸送機械等の製造・販売・金融・関連サービス メディカル・ヘルスケア 病院を中核とした事業展開と医薬バリューチェーン 衣食住と高付加価値サービス 次世代機能(IT/金融/物流)活用による消費者連動型ビジネス
本件は農業資材事業の基盤拡大を通じ、「食糧と農業」の攻め筋を強化するもの。
三井物産はこれを機に、これまでの日本、欧米、南米といった地域に加え、今後ミャンマーをはじめとする東南アジアにおける肥料・農業資材関連ビジネスへの取り組みを強化してい く。
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