ロックフェラー家基金が化石燃料への投資中止

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ロックフェラー家関連のRockefeller Family Fundは3月23日、化石燃料関連投資を出来るだけ早く解消すると発表した。

世界が化石燃料の使用を止めようとしているときに、 企業がハイドロカーボンの新しいソースを開発し続けるのには健全な論理的根拠はないとし、それらの企業の株を持ち続けることは、経済的にも倫理的にも意味がないとし た。

ExxonMobilについて、1980年代以降、気候変動について隠して大衆を惑わせる一方、多額の投資をして自社のインフラを強化し、新しい開発を行ってきたと述べ、違反行為がなかったか調査すべき とした。そして、ガバナンスの観点から、公共の利益を明らかに無視するような企業とは関係を持つことは出来ないとし、ExxonMobil 及び全ての石炭企業タールサンド企業の株を直ちに処分するよう指示したとしている。

Rockefeller Family Fund の化石燃料への投資は、遺産のほんの一部の130百万ドルに過ぎない。

「Rockfeller 一族はExxonMobil を含む石油産業に長い間投資し、利益を得ていたため、この決定は軽いものではない。しかし、歴史は動く、動かねばならない」と述べている。

ロックフェラー家関係者は2008年、ExxonMobilに企業統治の在り方を変え、代替燃料への支出を増やすよう、すでに呼び掛けていた。
2014
年には、ロックフェラー家関連の別ファンド、Rockfeller Brothers Fundなど複数の慈善団体、非政府組織が、化石燃料関連の投資をやめる方針を示している。

ExxonMobilの広報担当者は、「同ファンドは当社への陰謀に既に資金提供しているため、当社から投資を引き揚げつつあることに驚きはない」とコメントした。

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Rockefeller Family Fundは1967年にJohn D. Rochfeller Jr の2番目の妻のMartha とJr.の息子のJohn、Laurance、Nelson、David によって設立された。

設立以来、環境保護、女性の経済的権利の推進、市民活動の支援などを行ってきた。

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アメリカの石油王 John Rockefellerは、ニューヨーク州の生まれで農民出身だが、クリーブランドで石油精製事業に成功する。
1870年1月10日にStandard Oil of Ohioを創設、アメリカ全製油量の10%を握った。その後、次々と合併を行って1879年にはアメリカの全石油精製の90%を独占した。その過程で弱小企業を倒産に追いこむなど世論批判を受けた。

1890年にアメリカ合衆国下院議会がシャーマン反トラスト法を可決、これがアメリカの全ての独占禁止法の源である。

1911年、Standard Oil は分割された。

Standard Oil の後継会社と、その後の姿は下記の通りである。

分割会社 その後 現在
Standard Oil of Ohio (Sohio)  BPが買収  BP Amoco BP
Standard Oil of Indiana(Stanolind) Amoco
Atlantic & Richfield Atlantic Richfield(ARCO)
Standard Oil of New York(Socony Vacuum Oil と合併→Mobil ExxonMobil
Standard Oil of New Jersey (Esso) Exxon
Standard Oil of Kentucky (Kyso) Socal が買収 Chevron
Standard Oil of California(Socal) Gulf Oil と合併→Chevron →
Texacoを買収→ChevronTexaco
Continental Oil (Conoco) Phillips と統合 ConocoPhillips

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