Shell とAramco、米国のJVのMotivaを分離 

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ShellとSaudi Aramco は3月16日、両社のJVのMotiva Enterprises LLCの資産を分離する覚書を締結したと発表した。

Motiva は1998年に設立された石油精製・販売会社で、2002年以降、両社の50/50JVとして運営されてきた。

Shell は分離取得する事業と、自社の他の事業(精製、下流)と一体化して運営する。Saudi Aramco も、Shell とのJVを通じて米国の事業を拡大してきたが、それぞれが独自の下流事業の目的に向け動くときだとしている。
AramcoはMotivaの分離後、米国で更に事業を買収する考えを明らかにしている。

Motivaは合計日量100万バレル以上の精製能力の3つの精油所を持つが、次のとおり分割される。

Aramco Shell
社名(Motiva)
製油所 Port Arthur, TX
(元 Texaco )
米国最大の精油所(60万バレル)
単一工場で米国最大の潤滑油プラントを持つ。
Norco, LA
(元 Shell)
能力 23.5万バレル
隣接してShellの石化コンプレックス
 エチレン 2系列 計 150万トン
 ブタジエン 26万トン

 Shell は1995年にPPプラントをUnion Carbide (Dow) に売却
 2000年にResinプラントを現在のMomentiveに売却
Convent, LA
(元 Texaco )
1967年にTexacoが建設
1979年に増設し、能力23万バレル
ガソリンターミナル 26 9


Aramcoは製品のガソリンとディーゼルについて、テキサス、ミシシッピー川流域、大西洋岸中部及び南東部で「Shell ブランド」の独占使用権を受け取る。
これに対し、Shellは、フロリダ、ルイジアナ、北東部で「Shell ブランド」で販売する。

Motivaの歴史は次のとおり。

1988年にTexaco とAramco子会社のSaudi Refining が50/50JVのStar Enterprise を設立し、米国の東部及びメキシコ湾岸のTexacoの石油精製・販売事業を引き継いだ。

1998年にShell とTexacoは2つのJVを設立し、両社の石油精製・販売事業を統合した。
米国西部と中西部の事業のJVを Equilon とした。(Shell 56% / Texaco 44%)

米国東部と東南部の事業(TexacoはSaudi とのJVのStar)のJVをMotivaとした。(Shell 35% / Texaco 32.5% / Saudi 32.5%)

2001年にTexacoとChevronの統合後、Shell とSaudi はChevron持分を買収した。
EquilonはShell 100% となり、Motivaは50/50JVとした。

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