豪州唯一の塩ビメーカーが生産停止

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豪州でただ1社 PVCを生産していたAustralian Vinyls が2月初めに生産を停止した。

メルボルン近郊のLaverton の年産14万トンのプラントで、原料のVCMは輸入しており、年末に輸入したVCMを使い切った段階で停止した。

2015年9月に発表していたもので、塩ビ事業の実績と今後の見通しから戦略的に判断したもの。豪州の需要が減少しつつあるなかで、世界的な供給過剰でレジン価格は下落しており、今後長期的に赤字が続くと予想した。

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Australian Vinyls は化学品、肥料、鉱山関連サービスなど豪州で幅広い事業を展開するCSBP Limited の100%子会社で、苛性ソーダも生産している。(但し、VCMは生産していない)

CSBPは、アンモニア・硫安、青酸ソーダ(金の採掘用)、木材・プラスチックコンポジット(木粉と回収牛乳パックのHDPEでつくる木材代替品)、化学製品などを扱っている。

Australian Vinyls は1997年8月に豪州のPVC メーカー2社(ICI AustraliaとAuseon ) が合併して設立された。

ICI Australia はICIの構造改革の一部として1997年に分離・上場され、Oricaとなった。LavertonにPVC 14万トンプラントを持つ。
Auseon はGeon(当初名 BFGoodrich)の子会社。Altonaに9万トンのプラントを持っていた。
出資比率はICI Australiaが62.6%、Auseonが37.4%であった。

2002年9月に CSBP Limitedが Australian Vinyls を買収、Altonaプラントを停止した。

なお、当初のAustralian Vinyls の事業のうちのPVCコンパウンド事業は、Orica がPolyoneとのJVのメーカーのWelvic Australia で引き継いだ。
Oricaは2003年にPolyoneの37.4%の持分を買収した。

Orica の現在の主事業は鉱山用の火薬や爆破技術である。


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