フタムラ化学、英社のセルロースフィルム事業買収

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食品包装向け樹脂フィルム国内最大手のフタムラ化学は4月11日、同業の英国のInnovia Group からセルロースフィルム事業を買収することで合意したと発表した。6月末に完了する予定。

フタムラは二軸延伸PPフィルムをはじめとする食品包装用プラスチックフィルムのトップメーカーで、また、植物性原料から生産するセルロースフィルムで世界第二のシェア(約3割)を持つ。

Innoviaはセルロースフィルムでは世界第一位のシェア(約4割)で、プラスチック紙幣や二軸延伸PPフィルムも生産している。

Innoviaは2004年10月に英国のコンソーシアムがベルギーのUCB Group から、Films の二軸延伸PPフィルムとセロファンフィルム事業(UCB Films) を買収して設立された。

UCB Filmsは1996年にBritish Cellophaneを買収、Cellophaneの商標を取得している。

フタムラはセルロースフィルムを大垣工場のみで生産しており、事業継続に課題を抱えており、設備の老朽化もあり、生産体制の再構築が必要となっている。

今回、Innoviaの英国( Wigton)と米国(Tecumseh, Kansas)のセルロースフィルム工場、メキシコのセルロースフィルム加工工場、セルロースフィルムのR&D部門と、全世界を網羅する営業ネットワークを傘下に加える。

大垣工場については、環境負荷の少ない新製法による製品開発や、ビスコース技術を利用した新たな製品分野の開発などに取り組む。

営業ネットワークは、海外で成長している食品加工用セルロース製品の販売にも活用する。

一方、Innoviaは、プラスチック紙幣事業と二軸延伸PPフィルム事業に集中する。

プラスチック紙幣事業は、偽造を防ぎ、長く使えるためコストを著しく低減する実績から、世界をリードしており、2016年末には世界中の中央銀行向けに500億枚以上のプラ紙幣を供給する。
Wigton新工場ではBank of England 向けに、2016年9月には5ポンド・プラ紙幣、2017年には新しい10ポンド・プラ紙幣を発行する。

二軸延伸PPフィルム事業(マーケットリーダーで独自の'double bubble'プロセスを持つ)では、差別化した製品開発を続ける。

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フタムラ化学は1947年に二村化学研究所として創設され、醤油着色剤カラメルや水飴の製造を行った。

1950年に二村化学工業が設立され、薬品賦活法活性剤の製造を開始、1952年に大垣工場を建設、セロハンを製造した。

1966年に千葉工場を新設、PPフィルムの製造を開始した。

2004年にフタムラ化学に改称した。

 

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