アルゼンチン債務問題、ほぼ解決 

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アルゼンチンとヘッジファンドとの15年に及ぶ争いが終結した。

アルゼンチン政府は2月28日夜、2002年のアルゼンチン国債のデフォルトに対する2004年12月の債務再編案(民間保有の国債の75%をカット)を拒否していたElliott Management など複数のファンド("holdout" 債権者)に対し、世界各国の訴訟で和解するため46億5300万ドルを支払うことで合意した。これは、ヘッジファンドが主張していた債務全額の約75%に相当する。

2015年12月に就任したマクリ大統領は経済再建のために外資の流入が不可欠だと考えており、債務問題の解決を重要視した。
2016年1月からニューヨークで交渉を再開し、すでに複数の欧米のファンドとは合意に達していた。

アルゼンチンの経済財務相は「15年間で初めて、アルゼンチンはデフォルトからの脱却を開始した」と述べた。

2016/3/4 アルゼンチンとヘッジファンドとの15年に及ぶ争いが終結

その後、残る債権者の大半とも和解した。

アルゼンチンの上院は3月31日、米投資ファンドとの返済和解案を承認した。

アルゼンチンと"holdout" 債権者の合意を受け、マンハッタン連邦地裁のThomas Griesa判事は3月2日、2012年に出したアルゼンチンの債務支払いの一時停止命令を解除する判決を下した。

2012年の判決は下記の通りで、これによりアルゼンチン政府は新債券保有者に対し利息を払えなくなり、デフォルトとなり、国際金融市場から締め出された。

アルゼンチンが債務再編に応じた新債券保有者に支払いを続けるのであれば、"holdout"債権者の保有債券についても、全額支払わねばならない。
もし"holdout"債権者に支払わない場合は、米国の金融機関はアルゼンチン政府から新債権保有者への支払い手続きをしてはならない。
(複数の債権者に対し返済の優先劣後を設けないとするPari Passu 条項:債権者平等条項を適用)

米連邦高裁は4月13日、地裁の判断を支持した。

これを受け、アルゼンチン政府は4月19日、165億ドルの債券を米国市場で発行したと発表した。
2001年にデフォルトに陥って以来、約15年ぶりに国際金融市場に復帰した。

アルゼンチン政府は4月22日、20のヘッジファンドなどに対して62億ドルを返済し、2月に合意した返済案を実行した。
遅れて和解した他の債権者に支払うため、Bank of New York に31億ドルを寄託した。


なお、"holdout" 債権者との和解条件が2004年12月の債務再編案に応じた債権者を優遇するとして訴訟が行われており、全面解決ではない。



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