三菱商事、インドネシアのニッケル計画から撤退

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三菱商事は4月25日、インドネシアのWeda Bay Nickel 鉱山の開発権益を事業パートナーであるフランスのEramet S.A. に売却すると正式発表した。
保有していた30%分の権益を月内にすべて手放す。売却額は約100億円の見込み。

三菱商事は2016年3月期決算で4300億円の減損損失を計上するが、本件はすでに減損処理を済ませており、決算予想の見直しはない。

三菱商事とともに3.4%の出資をしていた太平洋金属も同様に売却した。

操業に向けて準備してきたが、ニッケルの国際価格が2011年と比べて約3分の1 に下落し、今後、事業を継続しても採算がとれないと判断した。
三菱商事では、「事業化要件が満たされなかった為、今般株主間協定書に基づき売却する」としている。

この計画は、世界有数の金属原料・高性能合金生産者のEramet がインドネシアのハルマヘラ島のWeda Bay の世界有数の大規模ニッケル鉱床を開発するもので、同鉱床の資源量はニッケル純分ベースで630万トンと見込まれ、Erametの開発したニッケル湿式精錬法を採用し、年産6.5万トンのニッケルを生産するもの。

三菱商事は2009年2月に同プロジェクトに33.4% 参画し、これまで事業化調査を進めてきた。2011年12月に太平洋金属が三菱商事から持分3.4%の譲渡を受け、参加した。

太平洋金属は、旧称 日曹製鋼 で、フェロニッケルとフェロニッケルスラグ加工品を生産している。低品位ニッケル鉱石からの製錬技術を生かした、ごみ焼却灰などの再資源化システムの事業も展開している。


この計画の運営形態は下記の通り。

10%出資するPT Antamはインドネシア政府が株式65%所有する国営の資源大手で、世界最大級のニッケル生産企業。

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住友商事は2016年1月13日、マダガスカルで進めてきたニッケル採掘・精錬の「Ambatovy Nickel Project」に関してニッケル価格の下落を理由に約770億円の減損損失を計上すると発表した。


足元のニッケル価格の下落を踏まえ、中長期価格の見通しを見直した結果、プロジェクト会社が保有する固定資産の簿価を全額回収することは困難と判断したとしている。

2016/1/19 住友商事、マダガスカルのAmbatovy ニッケルプロジェクトで約770億円の減損損失を計上  

住友金属鉱山は2016年3月29日、ニューカレドニアのGoro Nickel Cobalt Project を進めているVale Nouvelle Calédonie S.A.Sの全株式をVale Canada Limitedに譲渡する売買契約を締結した。譲渡金額は約80億円。
共同で出資する三井物産も同様に売却した。

住友金属鉱山と三井物産は、SUMIC Nickel Netherlands(住友 52.38%、三井 47.62%)を設立して2005年よりGoro Nickel Cobalt Projectに参加しているが、2015年12月末までに商業生産目標を達成できない場合には、株式をVale Canadaに売却することとしており、商業生産条件を達成することができなかったため、撤退する。

2016/4/6 住友金属鉱山と三井物産、ニューカレドニアのニッケル事業から撤退 

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