住友金属鉱山、フィリッピンでレアアースのスカンジウムを回収

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住友金属鉱山は4月28日、レアアースの一つのスカンジウムの回収事業への参入を決定するとともに、米国大手企業と酸化スカンジウムの長期販売契約を締結したと発表した。

スカンジウム(scandium)はレアアースの一つで、原子番号 21、元素記号は Sc。

現在は米国、ウクライナ、ロシア、中国等を中心に年間10トン程度生産されていると推定される。

生産量が少なく、高価であることから需要は限定されているが、下記のように、アルミへの添加剤や固体酸化物形燃料電池の電解質等の分野での伸びが期待されている。


住友金属鉱山はフィリッピンの子会社
Coral Bay Nickel とTaganito HPALで低品位ニッケル酸化鉱を原料として「HPAL法」(High Pressure Acid Leach:高圧硫酸硫酸浸出法)を用いたニッケル製錬を行っている。

Coral Bay Nickel :住友金属鉱山 54%、三井物産 18%、双日 18%
Taganito HPAL:
住友金属鉱山 62.5%、Nickel Asia 22.5%、三井物産 15.0%

2009/8/22 住友金属鉱山、比最大手ニッケル鉱山会社の株式を取得

この原料鉱石中に微量のスカンジウムが含まれている。

同社は新居浜研究所でこの効率的な回収方法を確立、2013年にCoral Bay Nickel 内に酸化スカンジウム製造のパイロットプラントを建設、試作を行ってきた。

今回、回収の事業化を決定、Taganito HPALに酸化スカンジウムの中間品製造プラントを建設、最終製品への加工プラントを播磨事業所に建設する。

投資額 約40億円
製造能力 酸化スカンジウム換算 約7.5トン/年
製造拠点 前工程 Taganito HPAL (鉱石から中間品を回収)
後工程 播磨事業所  (中間品から酸化スカンジウムを生産)
生産開始 2018年春予定

 
 

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