第一三共は5月6日、2008年にRanbaxy Laboratoriesの株式を第一三共に譲渡した元株主を相手としたシンガポールでの国際商業会議所国際仲裁裁判所の仲裁判断を発表した。
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第一三共は2008年6月11日、Ranbaxy Laboratories 及び創業家一族との間で、同社の議決権総数の50.1%以上を取得する契約を締結、2008年11月に第三者割当増資、新株予約権の引受け等を合わせ 63.9%を取得した。
しかし、米国食品医薬品局(FDA)は2008年9月16日に、Ranbaxy Laboratoriesの医薬品30種以上の輸入を一時停止した。
Ranbaxy Laboratoriesは2011年12月に、FDAと同意協定書を締結したが、その後も輸入差止が相次いだ。
また、株価の大暴落で第一三共は多額ののれん償却を余儀なくされた。
第一三共はRanbaxyの米国事業の早期解決が難しいと判断、2014年4月にSun Pharma と株式交換し、2015年4月に取得したSun Pharmaの持株全てを売却した。
これについて第一三共は、2008年9月16日のFDAによるRanbaxyの医薬品30種以上の輸入の一時停止は 、同年6月の契約締結までに調査があった筈で、Ranbaxyの特定の元株主が、FDA 等の調査に関する重要な情報を隠蔽したものと判断し、国際商業会議所国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てたもの。
4月29日付の仲裁判断は下記の通り。
元株主は第一三共に下記の金額を支払う。
① 損害賠償金 25,627.8 百万インドルピー 41,004百万円 損害遅延金 8,510.7百万インドルピー 13,617百万円 ② 弁護士費用 14,549.7千米ドル 1,557百万円 仲裁費用 599.3千米ドル 64百万円 合計 56,242百万円
第一三共は、この回収の目処が立った段階で、同社の業績への影響を発表する。
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経緯は下記の通り。
第一三共は2008年6月11日、インドのジェネリック医薬品大手 Ranbaxy Laboratories 及び創業家一族との間で、同社の議決権総数の50.1%以上を取得する契約を締結したと発表した。
同社は11月7日、 Ranbaxy 株の63.9%を取得したと発表した。
2008年8月16日から2008年9月4日までの間、公開買付けを行ったうえ、創業家一族からの取得、第三者割当増資、新株予約権の引受けを行った。
総額4,950億円になる。
米国食品医薬品局(FDA)はTOB完了直後の 2008年9月16日、Ranbaxy Laboratoriesの医薬品30種以上の輸入を一時停止した。
Ranbaxy のインドの2つの工場で、製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存に関して問題が改善されていないためとしている。
これが報道され、Ranbaxyの株価は(世界的な株安も加わり)暴落した。
第一三共は2009年1月5日、連結子会社であるRanbaxy Laboratoriesについて、3,540億円ののれん一時償却の特別損失を計上すると発表した。
2009/1/8 第一三共、ランバクシーの評価損計上
Ranbaxy Laboratoriesは2011年11月30日に、高コレステロール血症治療剤「リピトール」の後発薬を米国で発売した。
同社は当初、インドでの原体生産を検討していたが、米国への輸入が認められていないため、Teva Pharmaceuticalに原体の生産を委託せざるを得なかった。
2011/12/5 第一三共子会社 Ranbaxy、米国で「リピトール」の後発品を発売
第一三共は2011年12月に、Ranbaxy Laboratoriesが米国FDAと同意協定書を締結したと発表した。
Ranbaxyは、データの信頼性を確実にするための手段や方針を更に強化し、現行の適正製造基準を遵守することを確約した。
また、これまでの行為に対し、5億ドルの罰金支払いで米国司法省と和解した。2011/12/28 ランバクシー、米FDAと同意協定書締結
FDAは2013年9月13日、Ranbaxy Laboratoriesのインドのパンジャブ州のMohali 工場で生産された医薬品の輸入を差し止めるという輸入警告(import alert)を発表した。
2013/9/21 米FDA、第一三共子会社Ranbaxyに再び輸入差し止め
第一三共は2014年1月14日、Ranbaxy Laboratories の原薬工場であるToansa工場(Punjab州)に関して、米国FDAによる査察の結果、何らかの問題があることを指摘する Form483 を受理したと発表した。
FDAは2014年1 月23 日付で、Toansa工場で製造された原薬を医薬品用に製造および流通させることを禁止する旨発表した。
2014/1/18 第一三共のRanbaxy、原体製造工場も問題か?
第一三共はRanbaxyの米国事業の早期解決が難しいと判断、Sun Pharma に売却することとした。
第一三共は2014年4月7日、Ranbaxy Laboratories をインドのSun Pharmaceutical Industries が株式交換により吸収合併することでSun Pharmaと合意したと発表した。
2015年4月に取得したサンファーマの持株全てを3,784億円で売却した。
2014/4/10 第一三共、ランバクシーを実質売却
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