新元素 113 はニホニウム

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IUPAC (国際純正・応用化学連合)は2015年12月30日、新元素113、115、117、118 を公式に認めた。
発見者に命名権が与えられる。

2012/10/1 新元素 113
2016/1/1 理研に新元素113 の命名権

IUPACは6月8日、新しい4元素の名称案を発表した。
5ヶ月間のパブリックレビューの後、IUPACから正式な元素名と元素記号名が発表される。

元素番号 元素名 元素記号
113 Nihonium Nh
115 Moscovium Mc
117 Tennessine Ts
118 Oganesson Og

・ 113=Nihonium

理研仁科加速器研究センター超重元素研究グループの森田浩介グループディレクター(九州大学大学院理学研究院教授)を中心とする研究グループが発見。

「日本」からNihonium と命名した。(ニッポニウムは下記の理由で使用できない)

1908年に当時第一高等学校教授であった小川正孝が第43番元素を発見し、ニッポニウム(Nipponium: Np)と命名した。
しかし後にそれは43番元素ではなかったことが判明し、ニッポニウムは幻の元素となった。
これは原子番号75のRheniumであった。
一度間違いとされた元素名ニッポニウムは使用できない。

原子番号93のネプツニウム (Neptunium) に元素記号 Np が使われている

115=Moscovium と 117=Tennessine

これらは、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所(Joint Institute for Nuclear Research, Dubna)と米国のOak Ridge National Laboratory、Vanderbilt University、Lawrence Livermore National Laboratory の合同チームが発見した。

それぞれが立地する Moscow とTennessee州からとった。

・ 118=Oganesson

ロシアのドゥブナ合同原子核研究所 と米国のLawrence Livermore National Laboratory の合同チームが発見した。

ゥブナ合同原子核研究所のフレロフ核反応研究室(Flerov Laboratory of Nuclear Reactions)のリーダーの Professor Yuri Oganessian (1933年生まれ) の功績を讃え、彼の名前をとった。

Professor Yuri Oganessian は1998年にプルトニウムとカルシウムの衝突実験で原子番号114のフレロビウム(flerovium:Fl)を生成した。

生存中の人物にちなんで名付けられた元素は、Glenn Theodore Seaborg の名前をとった原子番号106のSeaborgium=Sg についで2件目。

Seaborg は加速器を用いて多くの新元素を発見した。
アクチニウム(89 Actinium=Ac) からローレンシウム(103
Lawrencium=Lr)までの元素を「アクチノイド系列」と命名し、この系列に属する元素の大半、すなわちプルトニウム(94 Plutonium=Pu) 、アメリシウム(95 Americium=Am)、キュリウム(96 Curium=Cm)、バークリウム(97 Berkelium=Bk)、カリホルニウム(98 Californium=Cf)、アインスタイニウム(99 Einsteinium=Es)、フェルミウム(100 Fermium=Fm)、メンデレビウム(101 Mendelevium=Md)、ノーベリウム(102 Nobelium=No)、ローレンシウム(103 Lawrencium=Lr)の発見に寄与した。

参考 

2009/8/26 112番目の元素 Copernicium
2011/12/8 新元素 Flerovium(原子番号114) とLivermorium(原子番号116)

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