世界初の新手法を用いた育毛効果を示す薬用商品開発に成功

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NEDO (国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) は6月14日、㈱ナノエッグが、NEDO事業の成果をもとに、脱毛する新メカニズムを発見し、さらに髪の毛根まで有効成分を浸透させる世界初の技術の開発に成功したと発表した。

NEDOは、新市場の開拓を可能とする技術開発成果を実用化して社会に普及させ、次のイノベーションにつなげることを目的とし、中小企業等が取り組む新規性のある実用化技術の開発支援を行うイノベーション実用化助成事業に取り組んでいる。

聖マリアンナ医科大学発のベンチャーであるナノエッグは、加齢とともに起きる女性の"髪痩せ"について、これまでのような頭皮ケアだけでは対策として不十分で、大切なのは毛根環境の育成と毛髪表面からの有効成分浸透と髪の芯から毛根に届ける新発想であると考え、薬用育毛剤(医薬部外品)の開発に着手した。

2009年度にはNEDOのイノベーション実用化助成事業で自発的毛根賦活機能を有する効果的脱毛症治療剤の開発に取り組み、その後、臨床研究を重ね、世界初の毛根に有効成分を浸透させ毛髪環境を整える新発想技術(経皮吸収性)を生み出した。

この技術は、ナノエッグが開発した特殊ジェルが皮膚ホメオスタシス機能(外部環境の変化に関わらず、皮膚の状態を一定に保つ機能)のスイッチを入れ、併せて薬剤の経髪吸収性を向上させるというもの。

今般、ナノエッグはこの成果をもとに、育毛効果を発揮する成分(グリチルリチン酸ジカリウム、塩酸ジフェンヒドラミン、センブリ抽出リキッド)を確実に毛根に浸透させるドラッグデリバリーシステム(DDS)技術を配合した女性用薬用育毛剤「ふわり」を開発、6月27日に販売を開始する。

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2003年 9月に、聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター先端医薬開発部門DDS研究室の研究テーマの1つである「皮膚再生のためのレチノイン酸ナノ粒子」が科学技術振興機構のプレベンチャー事業に採択され、その制度をもとに2006年4月に㈱ナノエッグが設立された。

聖マリアンナ医科大学とパートナーシップを組み、先端医薬開発の研究を進めている。

事業内容は下記の通り。

1)医薬品事業

DDSとしてのナノカプセル化(ナノエッグ)製剤の開発研究

ナノエッグは、レチノイン酸をナノスケール(直径15~20ナノメートル)の無機質コーティングカプセルにすることで、安定性や透過性を向上させたもの。
レチノイン酸以外の化合物についてもナノカプセル化に成功し、事業化を進めている。

●レチノイン酸(ビタミンA活性体)及びレチノイドのカプセル化・・・シミ・皺・ニキビの治療薬
●α-リポ酸(リポアクティブVE)・・・シミ・皺改善のための医薬品及び化粧品原料
●その他低分子化合物経皮吸収のための皮膚外用基材の開発研究
●ナノキューブ等の皮膚塗布用基材

2)機能性化粧品事業

ナノカプセル技術や皮膚科学技術を駆使した、機能性エイジングケア化粧品『マリアンナ』及び『マリアンナプラス』の販売事業

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