Sinopec、Repsol とのJV で55億ドルの補償を求め調停請求

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Repsol は6月17日、Sinopecが両社のJVに関し、55億ドルの補償を求めた調停手続き開始の通知を行ってきたと発表した。

問題のJVは北海に10の石油プラットフォームを持つ単独では最大のオペレーターのTalisman-Sinopec Energy UK Ltd で、間もなく Repsol Sinopec Resources UK と改称する予定のもの。下記の歴史を持つ。

Sinopecの親会社である中国石油化工集団は2009年818日、スイスに本拠を置く石油開発大手のAddax Petroleum の買収を完了した。
  金額は約75.6億米ドルで、中国企業による外国企業買収としては2009年で最大規模になった。

2009/9/2  シノペックのAddax買収の余波

Sinopecは2012年7月24日、カナダのTalisman Energy の英国子会社Talisman Energy (UK) の49%を15億ドルで取得することで合意した。
  Talisman Energy (UK)をTalisman-Sinopec Energy UK Ltd とし、Sinopecの子会社Addax とTalisman Energy のJVとする。

2012/7/31 中国石油大手による買収 続く

スペインの石油大手 Repsol S.A. は2015年5月8日、カナダの同業 Talisman Energy Inc. を買収した。

    2014/12/24 スペインの石油大手Repsol、カナダのTalismanの買収で合意 

Talisman-Sinopec Energyは英国の北海に49の油田を持ち、そのうち38油田を運営している。Flotta島にオイルターミナルを持ち、海上に12施設を持つ。


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Repsolによると、Sinopecは今回、JVへの当初の15億ドルの出資額と、その後の投資と機会コストの40億ドル、合計55億ドルの返却についての調停を求めている。 同時に、AddaxはJVに留まる意向も示している。

Repsolではこれを根拠のないものとしている。

スペイン当局の要請を受け、Repsolは声明を出し、「今回のSinopec の動きは、英国への投資決定を行った者が、期待した結果が得られないため、自己防衛のために行ったと解釈される」と述べた。

調停申請はビジネスパートナーに期待される義務と矛盾するもので、出資して3年後(Repsol がTalisman を買収し、JVに参加して以降)に行われたが、その間、Addaxはマネジメントレベルで経営に参加しており、なんら心配や懸念を示すことなく JVの全ての決定に参加していると述べた。

Sinopecはこれまでコメントをしていない。

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中国では2015年に元CNPCの総経理で政治局常務委員であったエネルギーの帝王、周永康 が汚職で無期懲役刑になり失脚した。

2013/8/31 中国政府、元CNPC総経理(前政治局常務委員)の汚職をめぐる調査を開始

Sinopecの海外資産買収の多くは、周永康 が中国の石油会社に、海外進出してエネルギー資源を獲得するようプッシュした時に行われている。

同社は周永康 の失脚後、全ての海外資産購入について内部監査を行っているが、海外資産の多くがオイルブームの頂点に、他の企業の買値に多額の上乗せをして購入されたことを認識している。石油価格の暴落で利益が出ない油田が多く存在する。

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