BPがオペレーターで三菱商事などが参加する企業連合は7月1日、インドネシア西パプア州のTangguh LNG拡張プロジェクトに対する最終投資決定を行ったと発表した。
Tangguh LNGは、インドネシアの西パプア州のベラウ鉱区、ウィリアガール鉱区、ムツリ鉱区のガス田(3鉱区全体の確認埋蔵量は14.4兆立方フィート)から供給される天然ガスを液化するプロジェクトで、現在、液化設備2系列で年間760万トンを生産している。
天然ガスは沖合に設置される2基の無人洋上プラットフォームで生産され、パイプラインを通じて陸上LNG液化プラントに供給される。
第一期(2系列計760万トン)は2005年3月に最終投資決定を行い、2009年7月に第一船を出荷した。
タングーLNGプロジェクトは、次の4社との間でLNG売買契約を締結している。 中国海洋石油総公司の福建省LNG受入基地 年間260万トン 韓国Kパワー 年間最大80万トン 韓国ポスコ 年間55万トン 米国Sempra EnergyのメキシコLNG受入基地 年間最大370万トン
今回、年間380万トンの生産能力を有する第三液化系列を増設するもので、液化設備に加え、2つの海上プラットフォーム、LNG運搬船用の桟橋の新設及び合計13坑の生産井の掘削等を予定、2020年中の生産開始を目指す。既存の系列を加えると、能力は1,140万トンとなる。
第二期のLNGの出荷先は次のとおりで、インドネシアと日本のエネルギー需要を支える。 | ||
75%相当分 | インドネシア国営電力会社 PT. PLN | |
25%相当分 | 関西電力 |
第二期の総事業費は8千億~1兆円になるみられている。
当初の計画段階では総事業費は1兆2千億円とされていたが、2016年に入って原油価格が急落し、これにつられる格好で資機材などのコストが大幅に下がったため、採算が取れると判断した。
既報のとおり、原油価格の下落を受け、東京ガスがシェールガスの権益を取得、三井物産も豪州油田開発事業の最終投資を決断している。
各鉱区の権益は次のとおり。
Berau 鉱区 | BP Berau | 48% |
MIベラウ | 22.856% | |
日石ベラウ石油開発 | 17.144% | |
KGベラウ石油開発 | 12% | |
合計 | 100% | |
Wiriagar 鉱区 | BP Wiriagar | 37.59839% |
CNOOC Wiriagar | 42.40161% | |
KG ウィリアガール石油開発 | 20% | |
合計 | 100% | |
Muturi鉱区 | BP Muturi | 1% |
CNOOC Muturi | 64.76677% | |
LNGジャパン子会社 | 34.23323% | |
合計 | 100% |
Tangguh LNG 企業連合のメンバーは次のとおり。
BP Berau (Operator) | 37.16% | |
MI Berau B.V. | 16.30% | 三菱商事(56%)、国際石油開発帝石(44%) |
CNOOC Muturi | 13.90% | 中国海洋石油総公司 |
日石ベラウ石油開発 | 12.23% | JX石油開発(51%)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(49%) |
KGベラウ石油開発 | 8.56% | 海外石油開発(三井物産)、MIベラウジャパン(三菱商事、国際石油開発帝石)、JX石油開発、石油天然ガス・金属鉱物資源機構 |
LNG Japan | 7.35% | 住友商事(50%)、双日(50%) |
Talisman Wiriagar Overseas | 3.06% | |
KGウィリアガール石油開発 | 1.44% | 海外石油開発(三井物産)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構 |
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