東芝は7月6日、カンパニー別PR説明会を開催した。
エネルギーシステムソリューションはカンパニー社長で、東芝子会社Westinghouseの会長のDanny Roderickが説明、全世界で400基以上の原発建設計画があり、同社では 2030年度までに45基以上の原発受注を目指すと述べた。
Westinghouseの受注計画は65基で、保守的に見積もったものとしている。
このうち、既受注分が米国4基、中国4基で、今後、英国、インド、トルコほかで37基以上の受注を目指す。
東芝の2015年11月27日の、ウエスチングハウスの減損問題についての記者会見では、全世界で約400基の計画があり、2029年度までの15年間で、新たに「64基」の原発建設を受注するのがベースとなっているとしていた。
2015/12/8 東芝の原子力事業
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同社の受注の状況は下記の通り。
中国 4基建設中
立地 主体 タイプ 能力 状況 台州市三門 中国核工業 WH「AP1000」 1,250千KW x 2 建設中 山東省海陽 中国核工業 WH「AP1000」 1,100千KW x 2 建設中
多くある新設計画についても、「10基程度には関わりたい」としている。
2) 米国
立地 主体 タイプ 能力 状況 Vogtle 3&4 Georgia州 Southern Nuclear Operating Co WH「AP1000」 1,250千KW x 2 建設中 Virgil C. Summer 2&3 S. Carolina州 South Carolina Electric & Gas
& Santee CooperWH「AP1000」 1,250千KW x 2 建設中 以上 2012/4/4 米、2件目の原子力発電所新設を承認 South Texas 3&4 Texas州 (東芝) 東芝 ABWR 1,300千KWx 2 建設運転一括許可(COL)取得、パートナー待ち 2016/5/16 東芝、米国大手エンジニアリング会社との原発建設に関する協力関係を解消 Turkey Point 6&7 フロリダ州 Florida Power & Light WH「AP1000」 1,100千KW x 2 COL 審査中
参考
東芝は7月1日、新規建設案件が当面見込めないことなどから、米原子力規制委員会に出していたABWR(改良型沸騰水型軽水炉)の設計認証の更新申請を取り下げたと発表した。上記のSouth Texas 3&4 については、取り下げの影響を受けない。
米国市場では子会社のWestinghouseが手掛ける次世代型PWR(加圧水型軽水炉)「AP1000」を中心に展開していく。
3)インド
オバマ米大統領は6月7日、訪米中のインドのモディ首相とホワイトハウスで会談し、東芝傘下のWestinghouseが原子炉6基をインドに建設することで基本合意した。
Westinghouseとインド原子力発電公社(Nuclear Power Corporation of India Limited =NPCIL) が、2030年までに加圧水型軽水炉「AP 1000」1100千KW x 6基をインドに建設する契約を2017年6月までに締結する。米輸出入銀行が資金支援する。原子炉設計や立地選定は「すぐに始める」としている。
立地は、当初は当初はGujarat州Mithi Virdi となっていたが、住民の反対でAndhra Pradesh 州に変更になった。
2016/6/14 米、インドに原発6基建設で基本合意、Westinghouseが建設
4)英国
東芝は2014年1月15日、スペイン大手電力会社Iberdrola S.A.から、英原子力発電事業会社NewGeneration (NuGen)の株式50%を 、GDF Suez から同社保有のNuGen社株式10%を、それぞれ譲り受けると発表した。取得額は総額で約1億ポンド。NuGenは東芝 60%、GDF Suez 40%の出資となる。
NuGen は、英中部Sellafieldで合計出力360万キロワットの原発建設を予定している。
Westinghouse Electric のAP 1000 を3基建設する予定。東芝は 原発設備を納入した後に経営権を売却することを想定しているとされている。
2013/12/27 英国が原発建設再開、固定価格買取制度導入、東芝と中国企業が計画に参加
5) トルコ
Westinghouseはトルコの国営発電会社との間で、トルコの三番目の原発計画(イーネアダ原発)でAP1000の原子炉4基を建設する方向で独占交渉中とされる。
アックユ原発は、ロシアのRosatomが建設する。
シノップ原発は、三菱重工業とフランスのArevaのJVのAtmeaが建設する。
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