イスラエルのIDB Holdingの子会社Discount Investment Corporation は7月18日、ChemChinaとの農薬JVのAdama の持株40%をChemChinaに14億ドルで売却することに合意したと発表した。
これにより、AdamaはChemChinaの100%子会社となる。
Adamaは世界7位、ジェネリック農薬では世界最大の農薬会社で、旧称はMakhteshim Agan、2014年4月に改称した。
Adamaはヘブライ語で「地球」、「土」を意味する。英語圏の人に発音し易い名前にした。
ChemChinaは2月にスイスの農薬・種子メーカー、Syngentaを430億ドル余りで買収することで合意した。
ChemChina は先般、TOB期限を9月13日まで延長したが、年末には買収が完了する見込み。
2016/2/5 中国化工集団(ChemChina)、スイス農薬のSyngentaを買収
ChemChinaはまた、中国に農薬子会社の湖北沙隆達(Hubei Sanonda)を持つ。
1958年に国営の農薬工場として設立され、1992年に再編し、上場した。
Adamaと湖北沙隆達との統合は既に2015年夏に発表されており、2017年上半期にも実現する見込みで、統合会社は深圳株式市場に上場される。
本拠はイスラエルに置き、世界に展開する。債券はTel Aviv 株式市場で従来どおり取引される。
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ChemChina は2011年10月、Makhteshim Agan Group の株の60%を約24億ドルで取得した。残り40%はIDB GroupのKoor Industriesが保有する。
IDB Groupは資金繰りに困っており、この時点でChemChinaはIDBに7年の期限で960百万ドルを融資、Makhteshim Aganの株(40%)が担保になった。
現時点では、これは1,172百万ドルに膨れている。
その後、IDBはアルゼンチンの富豪 Eduardo Elsztainなどに買収された。
ChemChinaがスイスのSyngenta(Adamaと競合)を買収した件では、IDB GroupはChemChinaを訴えた。
今回の取引で全てが解消する。ChemChinaのIDBへの融資はゼロとし、ChemChinaは差額の230百万ドルを現金で支払う。
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