原油価格低迷と政府の規制が高まるなか、パイプラインの新設は難しく、統合により北米のエネルギーインフラの巨人になるとしている。
Enbridgeは、Alberta のオイルサンドをBritish Columbiaの港に運ぶNorthern Gateway について、カナダの最高裁が今夏、カナダ政府の認可を覆したため、着工できないでいる。
同社は先週には、長く遅れていたSandpiper pipeline project (North Dakota からWisconsin のハブに原油を送るもの)を原油価格の下落を理由に凍結した。
Spectra はNew England の既存のネットワークの拡大を計画したが、Massachusetts 最高裁が、需要家の電力会社が追加コストを電力料値上げで転嫁するのをブロックしたため、頓挫した。
本件は両社のトップの間で、Project Rainbow の名で数ヶ月にわたり協議されていたという。
Enbridgeが運営するのはカナダから米中西部・メキシコ湾岸に向けての原油パイプラインが主力で、原油安による原油減産の影響を受け輸送量の減少傾向が続いていた。
一方、Spectra Energy が運営するパイプラインのほぼすべてが天然ガス用で、米国では本格的に天然ガスの輸出が始まり、今後も案件が目白押しのため輸送拡大が期待できる。
同社はシェールガス優良鉱区の東部ペンシルベニア州 Marcellus地区から天然ガス輸出基地が集中するメキシコ湾岸にかけて天然ガスパイプラインを持っている。
また、New York市に天然ガスを供給する最大の天然ガスパイプラインを持つ。
Spectra の買収により、Enbridgeのパイプラインは原油とガスを合わせて総延長が約19万キロメートルになる。
Enbridgeの予測によると、2025年までに天然ガス輸送量は年率3~5%成長する。輸出事業拡大の効果のほか、環境意識の高まりを背景に産業分野での天然ガスの使用拡大効果も見込めるという。
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