Samsung、選択と集中を進める

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Samsung Electronicsは9月18日、資金の効率化と中核事業への集中のため、下記の株式を売却したと発表した。
通常の経営活動の一環で、株式を売却した各社との協力関係に影響はないと説明している。

売却した海外企業の株式の額は1兆ウォン(約900億円)台に達するとされる。

オランダの半導体製造装置大手 ASML 持株の半分 1.5%
米のハードディスク駆動装置(HDD)大手Seagate Technology 4.2%全て
米の半導体開発大手 Rambus 4.5%全て
シャープ 0.7%全て


Samsung Electronicsは9月13日には、米の
HP Inc.にプリンター事業を10億5千万ドルで売却することで合意した。
Samsungは売却完了後に、公開市場での株式取得でHP Inc.に1~3億ドルを出資するとされる。

Samsung Electronicsの2015年の売上高 約18兆円のうち、スマホなどIT機器が46%、ディスプレーが12%、半導体が21%、家電が21%で、このうち複写機事業(家電部門)は1%に過ぎない。

HP Inc. は2015年11月1日のHewlett-Packard の会社分割で生まれた。

エンタープライズサービス、ソフトウェア、サーバ事業は、Hewlett-Packard Enterpriseと なり、
PCおよびプリンティング事業は、HP Inc.となった。

HP Inc. は利益の大半を自社製プリンター向けインク・トナーの販売で得ているが、この分野の成長は頭打ちとなっている。
今回のプリンター事業買収で、レーザープリンターの重要な機構である印刷エンジンの製造も可能になる。
HP Inc. では、印刷エンジン技術の取得は利益率改善とともに、レーザープリンターの進化に貢献すると指摘している。

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Samsung はシャープとの資本提携交渉時にシャープの複写機事業の買収を提案していた。

シャープ社内には資金の確保のためにこれに賛成する一派もいたが、日本からの技術流出(特にSamsung への流出)への反対から最終的に拒否した。
実際には日本のメーカー数社との間で相互に特許ライセンスを行っており、技術全体の譲渡は不可能であった。

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Samsung Groupは総帥の李健煕・サムスン電子会長 の指導の下で拡大を続けてきたが、李健煕会長が2014年5月に急性心筋梗塞で倒れ、後継者の李在鎔・サムスン電子副会長がグループの再編を開始した。

先ず2014年11月に、防衛関連と石油化学の4社を合計1.9兆ウォンでハンファグループに売却した。

防衛関連 Samsung Techwin の32.4% 8400億ウォン
Samsung Thalesの 持分(50%)
Samsung Techwinと仏大手電機メーカーThalesのJV
石油化学 Samsung General Chemicalsの57.6% 1兆0600億ウォン
Samsung Total Petrochemicals の持分(50%)
Samsung General Chemicalsと仏 Total のJV


2014/12/1 Samsung Group、防衛、石化事業をHanwhaに売却 

2015年にはサムスン精密化学など残る化学事業をすべてロッテグループに譲渡を発表、2016年に完了した。

1)Samsung SDI の化学部門(エンプラ等)

2)Samsung Fine Chemicals のSamsung 持分

3)Samsung BP の49%(酢酸、酢ビなど)

2015/11/5 Samsung Group、残る石油化学部門をロッテに売却

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