パナソニック、Tesla Motors と太陽電池分野での協業に向けた検討を開始

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パナソニックは10月17日、太陽電池分野でTesla Motorsとの協業に向けた検討を開始した。

北米市場向けに、Teslaのバッファロー工場(ニューヨーク州)での太陽電池セル、モジュールの生産協業に関する検討を行うことで、同社との間で法的拘束力のない Letter of Intent を締結した。

パナソニックが太陽電池分野で持つ技術・製造力の強みと、Tesla の強い販売力との相乗効果など、両社が持つ強みを生かした協業を検討していく。

最終的に合意に達した場合、2017年にもバッファローの工場で Tesla 向け PVシステムの生産を開始する。

パナソニックは、結晶シリコン基板とアモルファスシリコン膜を組み合わせた独自のヘテロ接合型太陽電池「HIT® 」の生産・販売を行っている。
HIT®は世界トップレベルの発電効率と、優れた温度特性により、限られた面積でも大きな発電量を実現している。

また、製造面では、インゴットから、セル、モジュール、さらにパワーコンディショナなどのシステム機器まで自社製造する世界でも希少なメーカーであり、一貫生産による高品質な製品を提供している。

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パナソニックとTesla は、電気自動車(EV)用の次世代電池を開発、EV市場の拡大を加速するなど、これまで数年に亘る協力関係を築いてきた。


Teslaは、Tesla 製の先進的な電池パックにパナソニックのリチウムイオン電池を搭載しており、またEV用の次世代リチウムイオン電池を共同で開発するなどパナソニックとは親密な関係があり 、パナソニックを優先サプライヤーとして位置づけている。

パナソニックは2010年11月にTeslaに3000万ドルを出資した。

パナソニックとTesla は2013年10月30日、パナソニックがTeslaにEV用リチウムイオン電池の供給を拡大する契約を締結した。

パナソニックは2014年~2017年に約20億セルのリチウムイオン電池を供給する。
Teslaがパナソニックから購入する電池は、モデルSと同様に2014年末までに量産予定の多目的車のモデルXにも搭載される。

パナソニックとTesla は2014年7月31日、米国においてギガファクトリーと呼ばれる大規模な電池工場の建設に関して、両社が協力することに合意した。

Teslaは土地、建物、そして工場設備を準備し、提供・管理する。
パナソニックは、双方同意のもと、円筒形リチウムイオン電池セルを生産・供給し、リチウムイオン電池セルの生産に必要な設備、機械、およびその他の治工具などに投資 する。

ギガファクトリーで必要な材料の前駆体は、パートナーサプライヤーで構成されるネットワーク内での生産を計画して おり、Teslaは、セルや他の部品を用いて電池モジュールおよびパックを製造する。

ギガファクトリーでは 2020年までに年間 35GWh 相当のセルと 50GWh 相当のパックを製造することを計画している。

パナソニックは2014年10月1日、リチウムイオン電池セルを生産する新会社 Panasonic Energy Corporation of North America をネバダ州スパークスに設立した。

新会社は大規模電池工場ギガファクトリー内で、リチウムイオン電池の生産を行う。

この新工場の立ち上げにより、長い航続距離を実現するリチウムイオン電池パックの製造コストを削減し続けるとともに、Tesla が計画している大衆向け電気自動車用に必要となる生産量を確保し、電気自動車の普及に貢献する。

パナソニックの津賀一宏社長は2016年1月、ネバダ州に建設しているバッテリー工場への投資額が最大16億ドルになるとの見通しを示した。

Tesla とネバダ州政府の投資を合わせた総投資額は40億~50億ドルの見込み。

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Teslaは電気自動車のほかに、太陽光発電分野にも注力している。

Teslaは電気自動車を「移動型蓄電池」と考え、2015年5月に「定置型蓄電池」市場への参入を発表、2015年5月から住宅用蓄電池「PowerWall」および産業用蓄電池「PowerPack」の製造販売を行っている。

Teslaは8月1日、ソーラーパネルの設置などを手掛けるSolarCity を買収することで合意したと発表した。26億ドル相当の全額株式交換方式での取引となる。

両社はいずれも Elon Musk (Tesla のCEO)が創設に関わった 会社で、SolarCityは、Elon MuskのいとこのLyndon RiveとPeter Riveが2006年に設立した。

SolarCityは、家庭用および業務用の太陽光発電システムを提供しており、Teslaの住宅用蓄電池「PowerWall」も採用している。
統合により、「見た目に美しく、シンプルで一元的な太陽光発電および貯蔵システム」が可能になるとしている。

屋根型太陽光発電と蓄電池を円滑に組み合わせた製品を開発し分散型電源として機能させ、1つのスマートフォンアプリでアフターサービスを実施するためには、2つの会社ではなく1つの会社に統合した方がメリットを発揮できるというのが買収・統合の考え方である。

パナソニックとの協業が成功すれば、更に上流の太陽電池セル、モジュールからの一貫体制が完成する。
EVも含め、「グリーン・エネルギー・コングロマリット」が完成する。

今回の契約は、TeslaによるSolarCity買収をTeslaの株主総会が承認することが条件となっている。

しかし、この買収提案には一部の株主が反対の訴訟を起すなどの問題が起きている。

SolarCity は米国最大の家庭向け太陽光パネル設置会社となっているが、経営は苦しい。

従来型の太陽光パネル販売とは異なり、SolarCity は、顧客の屋根に自らパネルを設置し、太陽光パネルで発電した電気を顧客に販売するやり方をとっている。
このため、元本回収には長い年月がかかる。

昨年の売り上げ4億ドルに対し支出総額6億ドルで、1年で2億ドルもの赤字を垂れ流している。

共同声明では、買収後1年間の事業だけをとっても、コスト面で 1億5000万ドル相当の「シナジー」効果が見込まれることを示唆している。

TeslaとSolarCity の株主は11月17日にTeslaのSolarCity買収に対する賛否の投票を行う。


付記

Teslaは10月28日、買収手続き中のSolarCityと共同で、屋根タイルと一体化した太陽光パネルを開発したと発表した。発電効率をほとんど落とさずに、見た目は太陽光パネルだと分からないデザインに仕上げた。

太陽光パネルと一体的に使う家庭用蓄電池の新モデルも発表した。

買収を決議する11月17日の両社の株主総会に備え、相乗効果をアピールした。

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