AstraZeneca、炎症疾患新薬候補をAllergan に譲渡 

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AstraZeneca は10月3日、傘下のバイオ医薬品事業部門のMedImmune がAllergan plc に対し新薬のMEDI2070 のグローバルライセンス権を与える契約を締結したと発表した。

MEDI2070 は抗IL-23モノクローナル抗体で、現在、中等度から重度のクローン病患者を対象とした第2b相試験の段階にある。また、潰瘍性結腸炎を対象とした第2相試験も近々開始される予定となっている。

MEDI2070が治療対象とする病気は、AstraZeneca が中核分野とする3つの分野(呼吸器系、心血管・代謝性疾患、腫瘍分野)から外れているというのが売却の理由。進行中の試験は双方が合意した時期までMedImmuneが実施する。

MedImmune では、Allerganは胃腸病や炎症性疾患の経験が深く、MEDI2070 の開発・販売を進めるには良いパートナーであるとしている。

Allergan は世界全体での開発・販売の独占ライセンスに対し、一時金として250百万ドルを支払う。更に、開発の進展、販売マイルストーンに応じて、15年間で最高1,270百万ドル(開発で最高 435百万ドル、販売で最高 725百万ドルなど)を支払うとともに、販売に対しては売上高に応じたロイヤリティを支払う。

AstraZeneca は2012年にMEDI2070の開発で Amgen Inc. と提携している。このため、AstraZeneca はAmgen に対しAllerganから受け取る技術料、ロイヤリティの1/3 を支払う。
加えて、Amgen は1桁パーセントの発明者としてのロイヤリティを受け取る。

AstraZeneca とAmgen は2012年4月2日、Amgen社が臨床開発中の抗炎症薬ポートフォリオに含まれるモノクローナル抗体5件の開発と製品化に関して、提携することで合意した。提携に伴い、Amgen はAstraZeneca から前払い金5000万ドルを受け取った。

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Allergan は9月20日、バイオ医薬品大手の米Tobira Therapeutics Inc. を最大16億9500万ドルで買収することで合意したと発表している。

TobiraはNASH治療薬として、Cenicriviroc (CVC) とEvogliptin の2剤 を開発しており、これがAllergan の消化器病系のパイプラインに加わる。

2016/9/23 Allergan、バイオ薬大手のTobira Therapeuticsを買収 

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