外務省は10月12日、「中国による東シナ海での一方的資源開発の現状」を明らかにした。
近年、中国は、東シナ海において資源開発を活発化させており、政府として、日中の地理的中間線の中国側で、これまでに計16基の構造物を確認している。
東シナ海の排他的経済水域及び大陸棚は境界が未画定であり、日本は日中中間線を基にした境界画定を行うべきであるとの立場である。
このように、未だ境界が画定していない状況において、日中中間線の中国側においてとは言え、中国側が一方的な開発行為を進めていることは極めて遺憾である。
中国側に対して、一方的な開発行為を中止するとともに、東シナ海の資源開発に関する日中間の協力について一致した「2008年6月合意」の実施に関する交渉再開に早期に応じるよう、改めて強く求めているところである。
外務省は在日中国大使館に対し、「日中間の海洋の境界が未画定の状況で一方的に開発を進めることは極めて遺憾だ」と抗議した。
これに対し、中国外務省の副報道局長は10月13日、「争いのない中国の管轄海域内で行っており、完全に中国の主権的権利と管轄権の範囲内の出来事だ」と定例会見で反論した。
国連海洋法条約は、排他的経済水域を200カイリと定めているが、東シナ海は海域が狭く日中両国のEEZが重なるため、日本は国際司法裁判所の判例などに照らして「重なる場合は中間線が境界」と主張、一方、中国は、同条約の「大陸棚自然延長論」を主張する。
中国の開発井戸は中間線の中国側にはあるが、白樺、楠では埋蔵地域が日本側海域に掛かっているため、日本側のガスも汲み上げるので問題である。
2008年6月の日中首脳会談で東シナ海のガス田共同開発で一致した。
白樺ガス田(中国名・春暁)の共同開発は両国の共同投資とし、収益分は先行投資した中国側に重点配分。
翌檜ガス田(同・龍井)周辺の日中中間線にまたがる海域を共同開発区域とする。(日韓共同開発区域に隣接)
合意対象外の日中中間線付近のガス田や、周辺海域の取り扱いについては継続協議。
2008/6/20 日中、ガス田開発合意
しかし、その後、中国は一方的に開発を進めている。
日本の場合、中間線の日本側でガスを掘削しても、それを輸送する手段がない。
平湖ガス田は、上海南東沖合に位置しており、約389㎞の海底パイプラインを通じ、上海の浦東に天然ガスを供給している。
2016年10月時点で確認された14箇所、16基の構造物は次のとおり。(1箇所に別時期に2基がつくられたものが2箇所ある)
今回、新たに「第11基」と「第12基」で天然ガスが燃焼したとみられる炎が出ているのを確認した。
炎を確認した構造物は2015年7月時点の5基から12基に増えた。
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