新エネルギーベンチャーの「ジャパン・ニュー・エナジー」は10月12日、京都大学との共同研究で、世界初の方式による地熱発電システムの開発に成功したと発表した。
通常の地熱発電(復水式地熱発電)のように温泉水や蒸気をくみ上げる方式ではなく、地中熱だけで発電する。
新方式は二重になった外管(直径約 30cm)と内管(同約 10cm)を地下 1,450メートルに埋設し、地上から圧力ポンプを使って外管に純水を注入。地熱で熱せられて内管から上がってくる熱水から蒸気を発生させて発電する。タービンを通過した蒸気を冷却水で冷やして外管に戻し、純水を循環させる。水は近くの川から取って循環させる。
復水式では、地下にある熱水・蒸気を汲み上げるため、温泉資源に影響を与えかねないとして反対がある。
新方式は温泉を掘削する必要がないため、観光業者らとの調整が不要で、地熱があればどこでも発電システム建設が可能となる。
地下の熱水・蒸気を使う発電では、管などにスケール(温泉成分)が付着して発電効率が落ちたり、除去費用がかかるが、この方式では 温泉水を使わないため心配がない。
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大分県九重町には九州電力の下記の地熱発電所がある。八丁原発電所は日本最大。
発電所名 最大出力 〔kW〕
運転開始年月 八丁原1号機 55,000 1977年6月 2号機 55,000 1990年6月 八丁原バイナリー 2,000 2006年4月 大岳 12,500 1967年8月 滝上 27,500 1996年11月 菅原バイナリー 5,000 2015年6月
バイナリー発電は、沸点の低い媒体(代替フロンなど)を加熱・蒸発させてその蒸気でタービンを回す方式で、従来方式では利用できない低温の蒸気・熱水を利用することができる。
また、九重観光ホテルは敷地内の牧の戸温泉の蒸気を利用した自家用地熱発電所を持っている。
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