福島第一原発、送電線の鉄塔に亀裂、運転開始後 一度も点検無し

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東京電力福島第一原発で、5、6号機の外部電源を引き入れている送電線の末端にある鉄塔「引留鉄構」が1978年8月の5号機運転開始当初から未点検だったことが発覚し、原子力規制委員会は11月2日、保安規定違反にあたると判断した。

規制委によると、今年8月、福島第一原発の5、6号機に引き込まれている送電線の鉄構で、支柱が破断するなど44カ所の亀裂が見つかった。
送電線の末端部は、送電側と発電所側で管理の所管が変わる部分で、発電所側が鉄構の点検の必要性を認識していなかったという。

損傷箇所は下記の通り、多数となっている。

支柱① 支柱② 支柱③ 合計
主材 4箇所中 1箇所 4箇所中 1箇所 4箇所中 1箇所 12箇所中  3箇所
水平材、斜材 52箇所中 12箇所 52箇所中 16箇所 52箇所中 13箇所 156箇所中 41箇所

東電では、2011年3月の東北地方太平洋沖地震による可能性も否定できないとしており、付け替えなどの対策を取る。
地震の後も、被害の有無をチェックしていなかったのは驚きである。

規制委はこの引留鉄構について、5号機の運転開始以降、一度も点検せず保安規定に定められた保全計画が未策定だったと確認した。

第一原発の問題を受け、第二原発についても9月の保安検査で調べた結果、第一原発と同様に保全計画が未策定だったと判明した。
巡視や補修は行われており損傷もなかったが、規制委は「保全計画がない点では第一原発と同様」と判断した。

原子力規制委員会は11月2日、第一原発の対応を実施計画違反、第二原発の対応を保安規定違反とそれぞれ判定した。


田中俊一委員長は東電について「組織の体制が不十分」と批判した。

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