日本原燃、巨大噴火予兆時に 六ヶ所村の核のゴミ搬出方針

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原子力規制委員会は11月11日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)の新規制基準への適合性審査会合を開いた。

日本原燃は六ケ所村にある3つの核燃料サイクル施設について、巨大噴火への対処方針を説明した。

核燃料施設は下記の通りで、再処理工場のプールには全国の原発から出た約 3,000トンの使用済み核燃料があり、再処理で生じたウランやMOXの粉末、高レベル放射性廃液を固めたガラス固化体もある。

使用済み核燃料再処理工場 最大処理能力 800トン・ウラン/年(未稼働:2018年上期竣工
使用済燃料貯蔵容量 3,000トン・ウラン (全国の原発から)


使用済燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出す。

MOX燃料加工工場 最大加工能力 130トン‐HM/年(未稼働:2019年上期竣工

再処理したウランとプルトニウムを混ぜ合わせる。

高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター

返還廃棄物貯蔵容量 ガラス固化体 2,880本


使用済燃料の一部を、フランスおよびイギリスの再処理工場に委託して再処理し、分離されたウランやプルトニウムと、放射性廃棄物が返還される。
高レベル放射性廃棄物は、安定した形態に固化したガラス固化体として返還されるが、最終的な処分に向けて搬出されるまでの30~50年間冷却・貯蔵する。

同施設の近くには、過去に巨大噴火を起こした十和田、八甲田の2火山があり、過去の十和田火山爆発時の火砕流堆積物が施設敷地内で確認されている。

原燃は十和田火山と八甲田火山をモニタリングし、地殻変動や地震活動の観測データを収集分析する。
平常時は原則年1回、火山専門家の助言を受け、地殻変動と地震活動が原燃設定の判断基準を超えた場合は臨時に助言を求めるという。

警戒レベルが「注意」を超えた際は臨時観測を行い、原燃の火山対応委員会で対処方針を決める。
大規模噴火が起きる可能性がある場合の対応策として、使用済み核燃料やガラス固化体の搬出、工場の運転停止などを挙げた。

原燃は「搬出先は今後検討する」と説明しているが、国内の原発のプールは満杯に近づいており、ガラス固化体については六ケ所村以外に貯蔵できる施設や最終処分場がない。
もしもの場合、どうする積もりだろうか。



気象庁は11月17日、火山活動の高まりが確認されている八甲田山十和田弥陀ヶ原(富山・長野県)の3火山を、12月1日から同庁が24時間体制で監視する「常時観測火山」に追加すると発表した。

国内の常時観測火山は50火山になる。

2014年に御嶽山が噴火したことを受け、火山学者らで作る火山噴火予知連絡会の検討会が同年11月、3火山の追加を同庁に提言した。



参考  原発の火山灰対策と巨大噴火対策  2016/11/2 原発の火山灰対策見直し 



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