韓国大統領府のバイアグラ大量購入は「高山病対策」

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韓国青瓦台(大統領府)の報道官は11月23日、青瓦台が昨年12月に性的不能治療薬の「バイアグラ」 60錠を購入したとの報道について、「大統領のアフリカ歴訪の際、随行職員らの高山病の治療のために用意したが、使ったことはなく、そのまま残っている」と明らかにした。

韓国メディアは野党議員が政府機関から入手した資料をもとに、大統領府がバイアグラ60錠を購入していたと相次いで報じていた。大統領が崔順実(チェ・スンシル)被告らの名前で医師から処方されていた疑惑も出ており、関心が高まっていた。

報道官は「バイアグラは勃起不全治療剤でもあるが、高山病の治療剤でもある。高山病の予防薬としてはアセタゾラミドがあるが、南米歴訪ではアセタゾラミドのみを持って行って苦労をした。そのため、アフリカ歴訪では予防用であり治療用であるバイアグラも持参した」と述べた。

朴大統領は今年5月、エチオピア、ウガンダ、ケニアのアフリカ3カ国を訪問した。3カ国の首都は海抜1000~2000メートルの高原に位置している。

報道官は「刺激的な報道が相次いでいる。自制を求めたい」と述べた。

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高山病は山酔い、高地脳浮腫、高地肺水腫という大きく3種類の症候群に分けられる。

高地脳浮腫は山酔いが激しくなったもので、倦怠感が強くなり、考えがまとまらなくなり、縦列歩行テストで運動失調が見られる。
高地肺水腫の最初の症状は息切れが激しくなってくることで、次第に安静時にも息切れがひどくなってくる。呼吸困難となり、血痰を吐き、意識不明になって、ついには死に至ることがある。

アセタゾラミド(商品名 ダイアモックス) は、軽い急性高山病の初期だけに効き、高地脳浮腫や高地肺水腫には効かない。

アセタゾラミド、炭酸脱水酵素を抑えることによって、体中の血液の中の酸素量を増やす効果があるとされている。おもに緑内障の治療に使用されている。

脳浮腫にはデキサメサゾン、肺水腫にはニフェジピンが有効だが、両者とも劇薬なので医療関係者が同行するか無線や衛星携帯電話などで連絡できる場合のみに限られる。

最近、バイアグラが高地肺水腫に有効であることが分かってきた。平地でも肺高血圧症の患者に投与され肺高血圧改善によい成績を残している。

低酸素に曝されると肺の血管が収縮し、肺動脈の圧が上昇して肺水腫が起こるが、バイアグラには肺の血管を拡張する作用があり、これにより肺の血流やガス交換が改善され、肺動脈圧も低下する。

アルゼンチンのサッカークラブチームが、ボリビアでの試合でバイアグラを使用したという。世界一高い場所(標高約 3,637メートル)にある公的なスタジアムで、酸素が薄いため、プレーで高山病を発症し、頭痛や吐き気、運動失調などを引き起こす恐れがあるため。



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