独産業ガス大手 Linde AGは12月20日、米同業のPraxair, Inc. と対等合併することで基本合意したと発表した。新会社の時価総額は650億ドル超と業界最大手が誕生する見通し。
業界2位のLindeと3位のPraxair は2016年8月、合併交渉を行ったが、9月12日、合併交渉の打ち切りを発表した。
Linde は当局への届け出で、合併の戦略的な根拠は原則的に確認したものの、ガバナンスの問題で両社は合意に至らなかったとコメントした。
独メディアによると、両社は新会社の取締役の選任や本社所在地などで溝があったという。
Linde AG は12月7日、Praxair との合併交渉を再開すると発表していた。
新会社の名称は世界的に認知度の高いLindeとし、ニューヨークとフランクフルトに二重上場する方針。取締役会には両社から同数の役員が送られる。
Lindeの株主はLiinde株1株につき新会社の1.54株を受け取り、Praxairの株主に対しては等価交換が行われる。この結果、出資比率はLinde側とPraxair側の株主がほぼ50%ずつとなる。
年商は300億ドルに達し、スケールメリットやコスト節減、効率性の改善などで年間のシナジー効果は10億ドルに上る見通し。
ーーー
産業ガスでは、世界大手のフランスのAir Liquid が2015年11月17日、米同業のAirgas を買収することで合意したと発表した。
2016年5月13日、FTC は一部設備の売却を条件にこれを承認した。
大陽日酸は2016年5月に米国子会社のMatheson Tri-Gas, Inc. を通じて、フランスのAir Liquide と米同業のAirgas の資産を買収した。
これを受け、Air Liquideは5月23日にAirgas 買収を完了した。
Air Liquid はドイツのLinde と世界シェア首位の座を激しく争っているが、世界最大の産業ガス市場である米国地盤のAirgasを傘下に収め、Lindeを突き放した。
2015/11/24 産業ガス世界大手のAir Liquide、米同業のAirgas を買収
しかし、Linde と Praxair が統合すれば、圧倒的な業界第1位企業となる。
コメントする