上海市政府の物価管理当局が、GMと中国自動車大手の上海汽車集団(SAIC) との合弁会社であるShanghai General Motors(GM 49%、SAIC 51%)に対し、中国で販売するCadillac、Chevrolet、Buick などの一部車種について、販売会社に対し最低価格を指示したとして、年間販売額の4%の罰金額を設定した。
GM は声明で、事業を行っている国の法律、規則を尊重するとし、本件で適切な対応をすべく、中国のJVの支援を行うとしている。
これまでにも多くの自動車メーカーが摘発されている。
2014/9/15 中国、Volkswagen と Chrysler に独禁法違反で罰金
これまでにもあった単なる独禁法違反事件であり、Trump次期大統領の反中国姿勢に対する反応とは見えないが、米国の対応により米中経済戦争につながる恐れがある。
本件に関しては、中国の英字紙 China Dailyは今月中旬、国家発展改革委員会の幹部の発言として、米自動車メーカーに制裁金を科す考えだと伝えていたが、Trump 次期大統領の政権移行チームの広報担当者は「Trump は米企業や雇用のために戦うと明言している」と強調していた。
12月21日には米通商代表部(USTR)が中国の電子商取引大手 アリババ集団のネット通販サービス淘宝網などを偽造品市場のブラックリスト(Notorious markets list」に組み入れた。4年前にリストから外した経緯があり、アリババ側は「政治的な意向が働いている」と反発。米中双方を代表する企業を狙った報復合戦の様相を呈している。
アリババグループの総裁は、「4年前、USTRは当社の名前をこのリストから削除した。それから4年間、当社はブランド所有者や法執行機関と共に、模倣品や海賊版を販売している業者に対する処罰を実際に展開し、先進的な方法で効果的に知的財産権の保護業務を展開してきた。それにもかかわらず、USTRは当社を再びリストに入れた。当社は、これが本当に事実に基づいた決定なのか、今の政治的雰囲気の影響を受けているのではないかと、疑いをかけざるを得ない」とすぐにコメントを出し、失望感を示した。
Trump次期大統領は12月21日、ホワイトハウス内に国家通商会議(National Trade Council)を新設し、トップに対中強硬路線を唱える Peter Navarro を指名した。「国家通商会議の創設は、米製造業を再び偉大にし、すべての米国民にきちんとした職で妥当な賃金を得る機会を提供するとの次期大統領の決意をあらためて示している」としている。
Peter Navarro 教授は、"The Coming China Wars"、"Crouching Tiger:What China's Militarism Means for the World"、"Death by China"などの著書が世界で注目された。
"Death by China"では、中国共産党政権の下での環境汚染、資源の略奪、毒食品、政治腐敗、軍事拡張、為替操作など多くの面において、世界にとって脅威となっていると批判した。2012年に同著書のドキュメンタリー映画も製作された。
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