オランダ鉄道(NS:Nederlandse Spoorwegen)の広報は1月10日、同鉄道のすべての 電車が1月1日から世界で初めて、風力発電による電力のみで運行していることを明らかにした。
NSは全電車を風力発電で運行する事業の入札を2年前に実施し、地元電力大手Enescoが落札した。 オランダは電気の輸入国で、余剰電力はないため、風力発電の新設が必要である。
両社は期間10年の契約を結び、2018年1月の実現を目指したが、1年前倒しで目標を達成した。
1日当たり約60万人の乗客が電源を全て風力発電とする列車で移動できるようになった。
オランダの他の鉄道会社も参加しており、NSはこれらを代表して電力を取得する。
風車1基で1時間発電すると、列車1編成を約200キロ走行させられるという。所要の電力は12億kWh で、これらはオランダ、ベルギー、スウェーデン、フィンランドの風力発電から得られる。
電力ソースは下記の風車群(Wind farm)。
国名のNLDはオランダ、BELはベルギー、ZWEはスウェーデン(オランダ語でZweden) 、FINはフィンランド。
最大の電力源のWestermeerwind はオランダ最大の湖エイセル湖(深さは5~6m、標高は海面下6m)の浅瀬にある 144MWの風車群(3MWの風車が48基)で 、2016年6月に稼働した。
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富士フィルムはオランダのTilburg にCTPプレートなどの生産を担うFUJIFILM Manufacturing Europe B.V を持つが、同社は2016年9月、工場の全電力をすべて風力発電でカバーすることになったと発表した。
Tilburg 工場では2011年9月に Enecoとの共同プロジェクトにより、工場敷地内に5基の風力発電タービンを設置し、工場の消費電力の15%を賄った。
今回、Enecoとの間で、北海に面するゼーラント州TholenのEnecoのAnna Vosdijkpolder wind farmの大型風力タービン5基による年間100ギガワット時の電力供給を受ける契約を締結、風力発電による工場の全電力のカバーを可能にした。
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