米商務省は2月7日、2016年の貿易統計(通関ベース)を発表した。
米国のモノの貿易赤字は全体で7501億ドル(調整後のCensus basis.では7343億ドル)となった。
ドル高の影響で輸出が3.2%減少したが、資源安などの影響で輸入額が2.6%減った影響が大きい。
サービス収支は2478億ドルの大幅な黒字で、モノとサービスを合わせた収支は5023億ドルの赤字にとどまった。
輸出 | 輸入 | バランス | |||||||
財 | サービス | 合計 | 財 | サービス | 合計 | 財 | サービス | 合計 | |
2014 | 16,333 | 7,433 | 23,766 | 23,855 | 4,813 | 28,668 | -7,522 | 2,620 | -4,902 |
2015 | 15,103 | 7,509 | 22,612 | 22,729 | 4,887 | 27,615 | -7,626 | 2,622 | -5,004 |
2016 | 14,598 | 7,496 | 22,094 | 22,099 | 5,018 | 27,117 | -7,501 | 2,478 | -5,023 |
単位:億ドル | |
モノの貿易での対日赤字は689億ドルとなり、相手国別ではドイツを抜き、中国に次ぐ2位に浮上した。
単位:億ドル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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これら4か国に対する米国の貿易赤字は全体の73%を占める。中国は全体の46%、日本は9%。
日本の場合は自動車関連が赤字の大半を占める。(689億ドルのうち、526億ドル)
日本メーカーは北米生産にシフトしているが、日本車の対米輸出は高級車が中心で、単価上昇が貿易赤字拡大の要因となった。
単位:億ドル | ||||||||||||||||||||
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トランプ政権は日中独を通貨安誘導と批判しており、メキシコには北米自由貿易協定(NAFTA)を問題視している。
自動車についても、トヨタについて twitter でメキシコからの輸入を批判した。
トヨタの豊田社長は1月5日の経済3団体の新年祝賀パーティーで、メキシコ新工場について、「工場建設はひとたび決めた以上は雇用と地域への責任がある。現地に行く以上はそこで貢献したい。決断はしっかりやりながら、動き出してからは粘り強くやる」と述べ、現時点で見直す予定はないという考えを示した。
その直後に、Trump次期大統領は twitterでトヨタのメキシコを取り上げた。米国に工場をつくるか、それとも多額の国境税を払えとする。
"Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S.
NO WAY!
Build plant in U.S. or pay big border tax."これを受け、トヨタ自動車は1月9日、今後5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると発表した。デトロイトで同日開幕した北米国際自動車ショーの会場で、豊田章男社長が記者会見を開いて明らかにした。
豊田社長は米国で13万6000人を雇用し、過去60年間で220億ドルを投資したと説明した。100億ドルの新たな投資の使途に言及しなかった。雇用増についても触れていない。
Trump氏はトヨタの発表に対しては、何もつぶやいていない。雇用増を約束しなかったためではないかと言われている。
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