既報の通り、インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は1月12日、「ニッケルやボーキサイトの未加工鉱石について一定の条件を満たした場合に5年間の輸出を認める」と突然発表した。
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インドネシア政府は2014年1月12日、国内での加工推進を目的とする未加工の鉱石の輸出禁止措置を導入した。
インドネシアで採掘された鉱石を国内で加工・精錬することを義務付ける「鉱物・石炭鉱業法」(2009年制定)に基づくもので、加工製品の輸出増加を通じて、鉱物資源からの収益を長期的に拡大する狙いがある。
ただし、当局の間でも、未加工の鉱石の輸出禁止により、短期的には外貨収入が落ち込み、経常赤字が拡大し、通貨ルピーを圧迫する、大量の失業が発生するとの懸念があり、長時間の協議の末、加工・精錬を実施または計画している企業に2017年まで精鉱あるいは加工鉱石を輸出することを認めるという鉱物省の提案が採用された。2017年からは全ての企業が金属製品あるいは鉱石の精製品のみ輸出可能となる。
1) | 加工・精錬を実施または計画している企業は2017年まで、銅、マンガン、鉛、亜鉛、鉄鉱石を輸出できる。 |
2) | ニッケル鉱石とボーキサイトについては、国内に十分な数の製錬所があるため、輸出禁止措置 |
3) | 石炭とスズの輸出は規制対象外 |
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このうち、ニッケルとボーキサイトは輸出禁止となったが、これが一定条件の下で輸出が認められることとなった。
問題となっているのは、1)の金属類で、これまで輸出が認められていたが、今回、期限切れで新しい規則ができた。
・ 従来は Contract of Work (COW) により輸出が認められていたが、特別の操業ライセンス(IUPK) で2022年1月までの輸出が認められる。
・条件として、5年内に精錬所を完成すること、輸出税を支払うこと。
・外国のIUPK保持者は生産開始の10年以内に持ち分の51%をインドネシア資本に渡すこと。
・輸出ライセンスは1年ごとの更新で、6カ月ごとに精錬所の建設状況がチェックされる。
米国の鉱業大手Freeport-McMoran はこれに異議をとなえ、2月中旬までに、濃縮銅の輸出許可を継続して得られないならば、Papuan州の鉱山での生産削減と地元労働者を削減するとした。
2月20日には同社CEOは、インドネシア政府に対して「4カ月以内に交渉に応じて問題を解決しない限り、国際調停裁判所への提訴に踏み切る」と話した。
同社では2015年10月付の政府からのレターで、新規則の発表後に直ちに、COWで認められていたと同じ権利での契約更新を認めるとなっていると主張、長期の操業許可の承認を得次第、新しい精錬所の建設にも着手するが、輸出税は免除されるべきだし、新ライセンスでの義務は協議すべきだとしている。
政府は、その場合、短期的には、国家の収益は減少するが、長期的には、全ての鉱山の IUPKへの転換に繋がり、下流分野には好ましい状況になるとしている。
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