日本化学工業協会(日化協)は3月17日、「化学人材育成プログラム」の新たな取 組みとして、2017 年度に、企業の社員を大学に派遣して講義を行う化学産業論講座を、神戸大学と大阪市立大 学に開設すると発表した。
日化協は、日本の化学産業における国際競争力の強化と産業振興の基盤となる若手人 材の育成を目的に、大学院化学系専攻(博士後期課程)を産業界が支援するプログラムとして、2010 年に創設した。
支援内容
1. 「各専攻における優れた取組みのPR、および学生の就職も含めたトータル支援」
2. 「奨学金の給付」
そうした取り組みを進めるなかで、化 学産業に対して理解を深め、今何を考え、何を学ぶべきかを考えることを促す機会を早期に提供することが重 要であると認識し、検討を重ねた結果、化学産業論講座を開設する運びとなったもの。
2017年度の実施概要は下記の通り。
神戸大学 | 大阪市立大学 | |
科 目 名 | Industrial Chemistry:産業を支える化学 | 化学産業論 |
期 間 | 2017年4月初旬~6月初旬 (90分授業×7回) | 2017年10月初旬~11月末 (90分授業×7回) |
対象学生 |
理学研究科、工学研究科の化学系修士課程(1年中心) |
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講義テーマ | ||
第1回 | ソリューションプロバイダーとしての化学産業:三井化学 | |
第2回 | イノベーションから見た、日本の化学産業:住友化学 | |
第3回 | 化学産業の未来:三菱ケミカル | |
第4回 | フッ素系電解質膜の合成化学的研究:旭化成 | 界面活性剤原料としての油脂アルコール:花王 |
第5回 | ウレタン系材料の組成とその応用例:三洋化成工業 | 半導体リソグラフィ材料の開発:JSR |
第6回 | 生産技術視点からの価値の提供:カネカ | 電池材料開発物語:宇部興産 |
第7回 | エポキシ樹脂と半導体レジストモノマーの分子設計:ダイセル | 化学品製造プロセスの開発:日本触媒 |
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