日本勢参加のインドネシアの地熱発電所稼働  

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伊藤忠商事、九州電力などがインドネシアのスマトラ島で建設を進めていたサルーラ地熱発電所(Sarulla Geothermal)1号機がこのほど営業運転を開始した。
建設中の2号機、3号機をあわせた発電容量は33万キロワット(330MW)と世界最大級の地熱発電所となる。

インドネシアは世界の地熱源の4割が集中する世界最大の地熱源保有国であり、同国は地熱を戦略的な電力源として位置付けている。
2010年に策定した第2次10,000MW電源開発促進プログラムにおいては、その4割相当(4,000MW規模)を地熱発電で賄うという方針を打ち出している。

地熱発電は、発電時にCO2の排出がわずかで、また天候に左右されないため、他の再生可能エネルギー電源に比べて出力が年間を通して安定している。

付記

国際石油開発帝石は10月10日、2号機が商業運転を開始したと発表した。総出力は約110MWで、第1号機とあわせ約220MWとなった。

付記

国際石油開発帝石は2018年5月9日、「サルーラIPP事業」で、1,2号機に続き第3号機がこのほど商業運転を開始したと発表した。3ユニットの合計総出力は約330MWとなった。

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伊藤忠、九州電力、インドネシアのPT Medco Power Indonesia、米国のOrmat Technologies, Inc.は、2013年4月、インドネシア北スマトラ州サルーラ地区にPT Pertamina Geothermal Energyが保有する地熱鉱区を開発し、出力330MWの地熱発電所を建設、インドネシア国有電力公社に30年間にわたり売電する長期売電契約を締結した。

その後、2015年6月に国際石油開発帝石が計画に参画した。

本計画の概要は次の通り。

 開発地域:インドネシア共和国北スマトラ州サルーラ地区
       (Pertamina Geothermal Energyが保有する地熱鉱区)

 

 地熱発電:出力 330MW

  出資者:

伊藤忠商事   25%
九州電力   25%
Medco Geothermal Sarulla   37.25%  PT Medco Power Indonesia がこの事業のために設立
Ormat Technologies, Inc.   12.75%


国際石油開発帝石(INPEX) は2015年6月、各社の了承を得て、Medco Geothermal Sarulla の49%の株式を取得し、本計画に参加した。

電力販売先:PLN(インドネシア国有電力会社)
電力販売期間:商業運転開始後30年間

工期(予定):
  2014年 着工
  2016年 第1期 (110MW) 操業開始 今般、操業開始
  2017年 第2期 (110MW) 操業開始
  2018年 第3期 (110MW) 操業開始

資金調達:国際協力銀行やアジア開発銀行を中心とした輸出信用機関によるプロジェクトファイナンス
 

海外パートナーの概要
 P.T. Medco Power Indonesia

PT. Medco Energi Internasional Tbk(Oil & Gas資源開発、石化事業、LPガス生産、燃料供給、発電事業、発電所O&M事業等を含むインドネシア最大手の民間資本総合エネルギー企業)の子会社の電力事業会社。
本件事業の他、ガス火力発電所をインドネシア国内に複数保有。

 Ormat Technologies, Inc.

地熱発電において、開発・主要機器製造・建設・事業投資・運営を垂直統合して取組む世界唯一の企業。
過去13カ国における発電事業向けに約1,600MWの地熱発電設備を供給。本件事業以外にも総発電容量575MW地熱発電所を保有・操業中。

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