東電と中部電力、既存火力発電事業の統合に係る基本合意書の締結

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東京電力の100%子会社の東京電力フュエル&パワーと中部電力は3月28日、燃料受入・貯蔵・送ガス事業と既存火力発電事業をJERAに統合することで基本合意書を締結した。

2017年度上期に合弁契約書を締結し、2019年度上期の事業統合を目指す。

本統合により、燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売にいたる一連のバリューチェーンが完成する。


両社は2015年4月30日、両社50%ずつの出資で共同事業会社 JERA を設立、燃料上流・調達から発電まで、火力発電事業のサプライチェーン全体に係るJERA への事業統合を順次進めてきた。(ただし、既存火力発電事業の統合は白紙で、追って判断するとした)

ロードマップは下記の通り。

スタート時 新規分
①新規の燃料上流事業開発・燃料調達事業
②国内火力発電所の新設・リプレース事業
③新規の海外発電事業開発
2015/10/1 両社の燃料輸送事業、燃料トレーディング事業をJERAに統合
2016年夏頃 両社の既存燃料事業(上流事業、調達事業、受入・貯蔵・送ガス事業等)や既存の海外発電・エネルギーインフラ事業をJERAに統合
2017年春頃 両社の既存火力発電事業のJERAへの統合を判断(当初は白紙)


2015/4/20 東京電力と中部電力、共同事業会社JERAを設立

ガス卸売・LNG供給については現時点では統合しておらず、今回の基本合意に折り込まれている。

海外発電事業については、JERAは2017年1月25日、ニューヨーク州で火力発電事業に参加すると発表した。総事業費15億8千万ドルのプロジェクトの運営会社に約44%を出資し、筆頭株主となる。
ニューヨーク市北東100kmに約110万kWの天然ガスこんなインドサイクル発電所を建設するもので、2020年の完成を予定する。

国内の既存の火力発電事業の統合は、東電と国が策定する新再建計画の柱で、これにより東電の企業価値を高める。(東電株の売却益が除染費等に充当される)

中部電力は、首都圏での電力販売を強化できるが、JERAの利益が福島原発の事故対策費に回されるとみて統合に慎重だった 。
今回、事故対策費は東電本体の稼ぎで賄うことを確認し、折り合った。

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