DuPontは3月31日、FMCとの間で、同社の農薬部門の一部を研究開発部門を含めて売却し、交換にFMCの健康・栄養事業のほとんど全てを買収する契約を締結したと発表した。
DuPontは事業価値の差額として16億ドル(現金12億ドル+運転資金 4.25億ドル)を受け取る。
農薬部門の売却は、Dowとの合併の承認の条件として欧州委員会と約束したもの。
DowとDuPontの合併(8月~9月と想定)とその他の手続の完了を条件に、2017年第4四半期の取引完了を目指す。
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欧州委員会は3月27日、DowとDuPont の合併を条件付きで承認すると発表した。
EUの規制当局が慎重な姿勢を続けたため、問題とされた農薬事業及び石油化学製品事業について両社が提案を行い、欧州委員会はこれを条件に承認したもの。
農薬事業に関する提案は下記の通り。
DuPontの農薬事業のかなりの部分をR&D組織を含めて売却する。
- グローバルで、DuPontの除草剤 thifensulfuron, tribenuron, metsulfuron, chlorsulfuron, triflusulfuron, lenacil, flupyrsulfuron, ethametsulfuron and azimsulfuron、殺虫剤 indoxacarb, cyazypyr and rynaxypyr。
- 殺菌剤については、European Economic Areaにおけるイモチ病殺菌剤の独占技術供与
- DuPontのグローバルなR&D組織。売却対象外のDuPont殺虫剤用のものを除く。
2017/3/28 EU、条件付きでDow / DuPont 合併を承認
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今回 DuPont が売却する事業は次の通りで、該当品の2016年の売上高は14億ドル。
・除草剤 (cereal broadleaf herbicides) 及び殺虫剤(indoxacarb, cyazypyr and rynaxypyr)
・DuPontのグローバルなR&D組織
(種子処理、線殺虫剤、最終段階のR&Dプログラムを除く)
(DuPontに残る既に販売中の製品をサポートする要員を除く)
DuPontが取得するFMCの健康・栄養事業は次の通りで、2016年の売上高は7億ドル。
DuPontのNutrition & Health 事業と極めて補完的。
・食品原料成分としてのテクスチュラント(スターチなど)
・医薬品賦形剤
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