NOVA Chemicalsは4月17日、Williams Partners L.P. からルイジアナ州 GeismarのWilliams Olefins LLCの同社持分(88.46%)を現金21億ドルで買収することで合意したと発表した。
契約完了後には、Williams Partnersの子会社がGulf CoastのEthane pipeline systemを通じて原料を供給する長期供給・輸送契約をNOVAとの間で締結する。
Williams Olefins LLCは、NGLを原料に日量37,000 バレルのエタン、3,000バレルのプロパンを製造、これから、エチレン 年産88万トン(公称 19.5億ポンド)、ポリマーグレードプロピレン 50千トン、ブタジエン 13百万ガロンなどを生産する。
このプラントは当初、1967年にLummus Company が設計、建設し、Allied Chemical が運営した。(当初、エチレン 27万トン)
その後1985年に Union Texas PetroleumがAllied Chemical から買収した。1999年にAllied Chemical がUnion Texas Petroleumと合併した際に、Williams が買収、その後サウジのSABICが11.54%を取得した。
2013年6月13日に大爆発事故を起こしている。2015年に増設を行い、エチレン能力を年産61万トン(13.5億ポンド)から88万トン(19.5億ポンド)に増やした。
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Williams Partners は天然ガスのインフラを扱うパートナーシップで、天然ガスとNGLの回収、処理、輸送から、エチレン、プロピレン、その他オレフィンの製造まで行っている。
33,000マイル以上のパイプラインを所有し、発電、暖房、産業用に供給している。米国の天然ガスの約30%に関与している。
同社はWilliams Olefinsについて、最も高い買い手に売却し、代金を借入金返却と他の事業に投資する案と、増設して受託生産を行う案を考えていた。
同社は2016年8月に、カナダの資産(Fort McMurray の2つのNGLプラント、Redwater のガス処理設備、それらを結ぶ420kmのパイプライン、および計画中の18.5億ドルのプロパン設備)をカナダの Inter Pipeline Ltd.に割安の 13.5億カナダドルで売却した。
同社は今回の売却で得た資金で、8.5億ドルの長期借入金を返済、残りを成長のための投資に使う。
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Novaは、主要な成長戦略として米国のGulf Coastに展開し、次世代技術を使用して米大陸の顧客に貢献することを挙げている。米国のシェールガスと確立された石化事業、サプライチェーンのインフラを利用したいとしている。
本年3月27日には、Borealis AG とTotal Petrochemicals and Refining USAとの間でJVを設立し、テキサス州に新しいクラッカーとBorealisのBorstar® ポリエチレン(米大陸で最初)のプラントを建設する構想の予備契約を締結した。
今回のWilliams Olefins LLCの持分買収はその第二弾。 |
これとは別に、同社はカナダでの増設も検討している。
同社はオンタリオ州Sarniaに3つのプラントを持つ。
Corunnaプラントには年産140万トンのエチレンプラントがある。当初は原油を処理したが、Marcellus Shaleの天然ガスを使うよう改造した。
St. River プラントとMooreプラントはこれを使ってPEを生産する。現在、Corunnaプラントに10億~20億ドルを投資して新しいエチレンプラントを建設することを検討している。Utica Shaleの天然ガスも使用する。
NOVAはアブダビ国営の投資会社 IPIC(International Petroleum Investment Company )の100%子会社である。
IPICは2009年2月23日、NOVA Chemicals の株式を借入金込みで23億米ドルで買収する契約を締結した。7月3日、Investment Canada Act に基づく承認を取得し、全ての手続きが完了した。
2009/2/24 アブダビのIPIC、カナダのNOVA Chemicals を買収
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