田辺三菱製薬、ジェネリック医薬品事業等のニプロへの売却

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田辺三菱製薬は3月28日、同社のジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部について、製造販売承認を含む販売権、製造委受託契約、共同開発契約ほかの関連契約、在庫、商標権、著作権並びに安全管理情報のすべてを田辺製薬販売に承継させた上で、田辺製薬販売の全株式をニプロに譲渡すると発表した。譲渡額については明らかにしていない。

田辺三菱製薬は2008年4月1日付でジェネリック医薬品のプロモーション並びに販売を目的とした子会社「田辺製薬販売」を設立し、「リライアブルジェネリック」の標榜のもと、ジェネリック医薬品事業を行ってきた。長期的にはジェネリック医薬品市場におけるリーディング・カンパニーを目指すとしていた。

日本のジェネリック医薬品市場は、政府による使用促進策の導入により2020年度には数量シェアの80%を占めるまで成長することが見込まれるが、一方で、同一品目に数十社が参入し競争が激化する等、将来に向けてますます事業環境の変化が予想される。

このような事業環境を踏まえて、同社で事業の最適化を検討した結果、市場での一層のシェア拡大と事業効率の向上が必須であることから、ジェネリック医薬品の豊富な開発経験と多様な生産体制を有するニプロに譲渡することを決めた。

対象事業を田辺三菱販売に承継させ、事実上のジェネリック医薬品メーカーとしての機能を持たせたうえで、ニプロに譲渡する。

対象製品は下記の通りで、2016年3月期の田辺三菱製薬の売上高は 12,893百万円となっている。

ジェネリック医薬品:51成分(2017年6月追補品目を含む) :現在、田辺三菱製薬が田辺製薬販売に供給

オーソライズド・ジェネリック医薬品:1成分 タリオンAG(抗アレルギー剤タリオンのAuthorized Generic)
   
:現在、田辺三菱製薬が田辺製薬販売に供給

長期収載品(既に特許が切れ、競合ジェネリック品が販売されているもの)
   :26成分(田辺製薬販売が販売する分 14成分と田辺三菱製薬の直接販売分 12成分)

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ニプロ側は次のメリットをあげている。

(1)取り扱い製品の拡充  短期間に取扱製品の拡充を進めることが可能となる。

(2)ブランド強化による更なる販売強化
   オーソライズド・ジェネリック薬品(タリオンAG)を自社製品として取り扱うことが可能となる。

(3)調剤薬局向け販売の更なる強化

(4)自社生産工場での生産による原価低減   将来的に承継製品群を同社に移管

(5)吉富薬品とのコ・プロモーションによる精神科領域の更なる強化
  田辺三菱製薬の子会社であり精神科領域に強い吉富薬品との共同プロモーションにより、精神科領域の販売を更に強化

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