東芝は4月24日、4つの社内カンパニー、インフラシステムソリューション、ストレージ&デバイスソリューション、インダストリアルICTソリューション、エネルギーシステムソリューションを分社化すると発表した。
同社は本年1月には、原子力部門はエネルギーシステムソリューションから独立させ、社長直轄としてリスク管理体制を強化するとしていた が、WestinghouseのChapter 11申請で原発事業の大半が東芝の実質的な支配から外れるため、再度、エネルギーシステムソリューションに含める。
2017/1/30 東芝、原発事業を見直し
4社は東芝の100%子会社で、エネルギーシステムは株主総会の承認を得て分割、他の3社は簡易吸収分割により実施する。
本体からの転籍対象となるのは、東芝単体の従業員数の約8割にあたる2万人。これに加えて本体の管理部門からも転籍させることを検討中。
半導体メモリー事業は既に新会社「東芝メモリ」として4月1日に分社し、約9千人が転籍した。
東芝本体には管理部門や研究所などが残る。
具体的には下記の通り。
東芝では、事業責任の明確化等を分社化の理由に挙げている。
実際は下記が主な理由である。
建設業法では、社会インフラなどで 4000万円以上の下請け契約を必要とする大規模工事で機器を設置する場合、「特定建設業」の許可が必要である。
この許可を受けるには会社の財務の健全性が求められ、資本金2000万円以上▽自己資本額が4000万円以上--などの条件を満たす必要がある。
財産要件
申請時の直近の決算書において、以下の4つ全てを満たすこと。
・資本金の額が2000万円以上であること
・自己資本の額(純資産合計)が4000万円以上であること
・欠損の額が資本金の額の20%以内であること
・流動比率が75%以上であること (短期的な支払能力)
東芝は2017年3月期に債務超過になる。今年12月に5年に1度の許可の更新時期を控えるが、このままでは更新できず、社会インフラやエネルギーの事業で受注制限を受け、1兆円規模の売り上げを失う懸念がある。
このため、東芝の子会社とし、それぞれを上記条件を満たさせることで、子会社として「特定建設業」の許可を得る。
綱川智社長は4月11日の記者会見で、財務悪化による主要事業への影響について、「分社化も含めて対処していく」と述べていた。
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