スイスの農薬・種子メーカーのSyngentaは4月24日、中国化工集団(ChemChina)による買収が5月に完了する見通しだと発表した。
同社のCEOは、「買収はEUと米国の承認を得たことで大きく前進した。5月の完了を期待している」と述べた。
中国化工集団(ChemChina)は2016年2月、Syngentaを430億ドル余りで買収することで合意した。中国企業による過去最大規模の買収となる。
Syngentaの取締役会は満場一致で受け入れを支持した。
当初は、TOBが数週間のうちに開始され、2016年末に買収が完了する見込みとしていた。
2016/2/5 中国化工集団(ChemChina)、スイス農薬のSyngentaを買収
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Syngentaは2015年5月8日、Monsantoから総額450億米ドル(うち45%を現金)での買収提案を受けたが、拒否した。
Monsantoは8月18日にSyngentaに新しい提案をしたが、Syngentaは拒否した。この結果、Monsantoは8月26日、買収を諦めると発表した。
2015/5/12 Syngenta、Monsantoによる買収提案を拒否
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その後、各国の独禁法当局の承認が遅れ、買収完了を2017年4~6月に修正していた。
問題となったのは、2011年にChemChinaが株式の60%を買収したイスラエルのジェネリック農薬メーカーのADAMA(旧称 Makhteshim Agan)である。
Makhteshim Aganは1997年にイスラエルの農薬メーカーであるMakhteshim と Agan が合併したもの。2014年にADAMAに改称した。
欧州委員会と米国のFTCは、ChemChinaによるSyngentaの買収で、SyngentaとADAMAの農薬が統合され、一部製品で競争を制限することを問題視した。
ChemChinaとSyngentaが対応策をとることで、承認を得た。
米国FTCは4月4日、ADAMAが除草剤のparaquat、殺虫剤のabamectin、殺菌剤のchlorothalonilの3剤の権利と資産をカリフォルニアの農薬メーカーAMVACに売却することを条件に承認した。
欧州委員会は4月5日、ChemChina側の下記の製品の売却提案を実施することを条件に承認した。
- ADAMAの既存農薬事業のかなりの部分(具体案列挙)
- Syngentaの農薬の一部(野菜用殺菌剤、穀草・野菜・ヒマワリ用除草剤)
- Adamaが開発中のジェネリック農薬の29品目
- Adamaの穀草用成長抑制剤事業のかなりの部分
- 以上の製品の全ての無形資産
なお、中国商務部は4月12日に承認している。
各国の承認を受け、ChemChinaは4月13日、TOBを5月4日に終了すると発表した。
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