主要企業の2017年3月決算 ー住友化学、三井化学 

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住友化学

営業損益は情報電子化学やメチオニンの値下がりが大きく減益となったが、海外石化の持分利益が大きく増加した。
減損損失や事業構造改善費用を増やしたが、株主帰属損益はほぼ前期並みとなった。

三菱ケミカルと同様、大日本住友製薬など高収益企業の少数株主帰属利益分が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 持分法 経常損益 特別損益 税引後 当期損益   配当
少数株主 株主帰属 中間 期末
2015/3 23,767 1,273 239 1,574 -407 711 189 522 6 3
2016/3 21,018 1,644 202 1,712 -136 1,124 309 815 8 6
2017/3 19,543 1,343 412 1,666 -214 1,171 316 855 7 7
前年比 -1,475 -301 210 -46 -78 47 7 40 -1 1
2018/3 21,900 1,650 1,850 1,000

 

営業損益対比(億円)           

2015/3 2016/3 2017/3 増減 内訳 2018/3予
価格差 コスト差 数量差等
石油化学 208 288 266 -22 90 -40 -72 270
エネルギー・機能材料 8 28 72 44 5 0 39 120
情報電子化学 324 199 103 -95 -350 175 80 210
健康・農業関連 561 775 462 -314 -185 -85 -44 600
医薬品 290 427 551 124 -70 -185 379 570
その他 157 78 57 -21 0 5 -26 30
全社 -274 -150 -168 -17 - - -17 -150
1,273 1,644 1,343 -301 -510 -130 339 1,650


石油化学:千葉工場の石油化学事業再構築で売上高は減少
       MMAや合繊原料が交易条件改善

エネルギー・機能材料:レゾルシンやエンプラの販売数量増

情報電子化学:
偏光フィルムやタッチセンサーパネルの値下がりが大きい。
           一方、原料合理化、出荷増でコストダウン。

健康・農業関連:メチオニンの価格下落。    注  2017年度には価格反転で増益を予想

           研究費増や円高の影響で損益更に悪化。

医薬品:国内薬価改定での値下がり、販売費用増加を北米でのラツーダ出荷増で補う。

特別損益の状況は下記の通りで、減損損失、事業構造改善費用が再度増加した。

2014/3 2015/3 2016/3 2017/3
投資有価証券売却益 34 41 158 273
固定資産売却益 162 10
減損損失 -218 -333 -247 -343
事業構造改善費用 -106 -322 -48 -189
投資有価証券評価損 -15
その他 56 45 35
合計 -249 -407 -136 -214

このうち、減損損失は以下の通り。

2015/3 2016/3 2017/3
英国 EL材料、デバイス 126
新居浜 アルミナ 、高純度アルミナ、高純度アルミ 64 44
韓国 高純度アルミナ 23
新居浜 医薬品(撤去) 52
韓国 サファイア基板 48
韓国 ダッチセンターパネル 16
シンガポール S-SBR 85 51
ポーランド ディーゼル・パティキュレート・フィルター 82
シンガポール メタアクリル 54
新居浜 光学製品 102
新居浜 硝酸、アニリン 29
新居浜 電解系 34
合計 333 247 343


大日本住友製薬の業績は次の通り。  (住友化学出資比率 50.22%)

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 3,714 233 233 154 9 9
2016/3 4,032 369 352 247 9 9
2017/3 4,116 528 543 290 9 11
前年比 84 158 191 43 0 2
2018/3予 4,500 550 550 360 9 11

日本では、後発医薬品の使用促進による大幅減収で減益
北米では、「ラツーダ」や抗てんかん剤「アプティオム」の売上が拡大、円安の影響もあり、大幅な増収増益

ーーーーー

三井化学

基盤素材の交易条件の大改善などにより、営業損益は大幅増益となった。事業構造改善も一段落し、特別損益も改善した。

  売上高 営業損益 経常損益 特別損益 当期損益   配当
中間 期末
2015/3 15,501 420 444 -86 173 2 3
2016/3 13,439 709 632 -219 230 4 4
2017/3 12,123 1,021 972 -114 648 5 9
前年比 -1,316 312 340 105 419 1 5
2018/3予 13,000 980 960 650

営業損益は下記の通り。

16/3 17/3 増減

増減内訳

18/3
予想
数量差 交易条件 固定費他
モビリティ 449 407 -42 39 -79 -2 420
ヘルスケア 116 101 -15 -12 -6 3 130
フード&パッケージング 203 206 3 14 -11 0 205
基盤素材 10 385 375 12 295 68 295
その他 -69 -78 -9 -9 -70
合計 709 1,021 312 53\6 199 60 980


当期よりセグメントを変更


モビリティ エラストマー、機能性コンパウンド及びポリプロピレン・コンパウンド、機能性ポリマーは好調に推移したが、交易条件の悪化及び円高の影響を受け、減益となった。
ヘルスケア ビジョンケア材料等における堅調な販売及び歯科材料における固定費減少があったものの、不織布における販売数量の減少により、減益となった。
フード&パッケージング 円高の影響があったものの、堅調な販売により増益となった。

基盤素材

事業構造改善の効果が発現したこと及び堅調な国内需要の影響、大幅な交易条件の改善により、前期の10億円の利益が当期は385億円と大幅増益となった。

他社のナフサクラッカーの停止が相次ぎ、稼働率は高水準で推移した。


特別損益は下記の通り。(億円)

  2015/3 2016/3 2017/3 増減
特別利益 資産売却益 23 51 26 -25
事業譲渡益 - 37 - -37
合計 23 88 26 -62
特別損失 固定資産処分・売却損 45 56 73 17
減損損失 53 241 41 -200
その他 11 10 26 16
合計 109 307 140 -167
特別損益 -86 -219 -114 105


2016/3の減損損失には、2013年に
ドイツのHeraeus Holdingsから有利子負債を含め約543億円で買収した歯科材料事業 Heraeus Dental のノレンの減損195億円を含む。

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