欧米の医薬業界で買収が続く 

| コメント(0)

ドイツの後発薬メーカーのFresenius Kabi は4月24日、米国の後発薬メーカー Acorn, Inc. を買収すると発表した。

買収額は約43億ドルで、さらに約4億5千万ドルの債務を引き継ぐ。

Acorn は処方薬、OTC医薬品のメーカーで、注射薬、塗り薬、軟膏、点眼液、液、点耳薬、スプレー式点鼻薬、喘息薬などを扱う。


Fresenius Kabi はまた、Merck KGaAのバイオシミラー(バイオ後発薬)事業を買収することで合意した。

買収額は最高 670百万ユーロで、買収完了時に170百万ユーロを支払い、約500百万ユーロは実績をもとにしたマイルストーン支払いである。

Merck KGaA はドイツの医薬品会社で、米国のMerck & Co., Inc. とは別会社である。

Merck & Co., Inc はドイツのメルク一族が米国につくった会社だが、第一次世界大戦で敵国企業の子会社として米国政府に接収され、1917年に独立した。接収後は両社は別会社である。

2006/3/23 2つのMerck社

バイオ後発薬は医薬品のなかでも高成長が見込まれている。

ーーー

ドイツの後発薬メーカーSTADA Arzneimittel に対しては、Bain Capital と Cinven Partnersの共同でのTOBが進行中で、6月8日に締め切られる。

STADA はPfizerの性機能改善薬「バイアグラ」などの後発薬と大衆薬が主力で、欧州の後発薬メーカーでは、Novartis傘下のSandozやドイツのFresenius Kabi などに次ぐ。

同社は2月12日、英投資会社Cinven Partners LLP から買収提案を受けたと発表した。買収総額は35億ユーロ。
これとは別に買収提案を受けているとしており、双方の提案を吟味して対応を決める方針。

同社は翌2月13日、米投資会社Advent International Corporation からも買収提案を受けたことを明らかにした。

2月16日には他の1社からのオファーがあったと発表した。(社名はあきらかにせず)

2月25日に、個別の交渉ではなく、入札によることを決めた。

同社は4月10日、入札の結果、Bain Capital と Cinven Partnersの共同でのTOBに決めた。

ーーー

米医療機器メーカーのBecton, Dickinson and Companyは4月23日、同業の米C. R. Bard, Inc.240億ドルで買収すると発表した。

注射器や輸血用機材、検査器具などを扱うBectonは、血管疾患や感染予防、外科手術などの専門分野に強みを持つBardの買収で事業領域を拡大する。

コメントする

月別 アーカイブ