AIIB、初の株式投資プロジェクト

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アジアインフラ投資銀行(AIIB)は6月15日、総額約324百万ドルの新プロジェクト3件を発表した。
その1つはインドのインフラ基金への150百万ドルの株式投資で、AIIBにとって初の株式投資プロジェクトとなる。

承認された3件は下記の通り。

India India Infrastructure Fund への出資 150百万ドル
Georgia Batumi Bypass Road Project 114百万ドル ADBと共同
Tajikistan Nurek 水力発電改修第一期 60百万ドル 世銀と共同

India Infrastructure Fund は750百万ドルの規模で、このうちAIIBが150百万ドルを出資する。

このファンドは、インフラ計画とインフラサービス企業への投資を行うもので、主としてインドでの事業を対象とする。

対象は下記のように多岐にわたる。

 ・エネルギー、ユーティリティ(再生エネルギー、送配電ネットワーク、水及び廃水処理 システム、スマートシティなど)

 ・輸送、 物流(道路、空港、橋、トンネル、港湾、鉄道、水路、輸送統合システム、都市交通、物流と物流インフラなど)

 ・その他(テレコム、ブロードバンド、都市Public Private Partnershipプロジェクト、健康、教育ほか)

AIIBの D. J. Pandian 副総裁兼Chief Investment Officer (インド) は、「初の株式投資プロジェクトの展開は、AIIBがまた新たな一里塚に到達したということで、質の高い民間部門プロジェクトを獲得し支援するためのAIIBの潜在力を高めることになる」と述べた。

中国のインドへの厚遇が目立つ。

インドは、5月14日から2日間、北京で開催された「一帯一路フォーラム」をボイコットし、中国のメンツを傷つけた。

インドは、パキスタンと領有権を争うカシミール地方を通る「中パ経済回廊」が「一帯一路」に含まれていることに反発、「主権と領土保全における核心的な懸念を無視した事業計画を受け入れる国は1つもない」との声明を発表した。

しかし今回、AIIBは初の株式投資をインドに対して行い、更に第3回年次総会を2018年6月にインドのMumbai で開催することを決めた。

また、インド(とパキスタン)の上海協力機構への正式加盟を承認した。


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アジアインフラ投資銀行(AIIB)の第2回年次総会は6月16日から18日まで、韓国の済州島で開催され た。

日本政府は年次総会の「招待状」を受け取っていたが政府代表を派遣しなかった。

2017/6/9 AIIB 第二回年次総会 韓国・済州島で開催

6月16日、アルゼンチン、トンガ、マダガスカルの参加が承認され、加盟国は域内46カ国、域外34か国、合計 80か国となった。
加盟国一覧表

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