Ford Motorは6月20日、次世代のFocus compact car をメキシコのHermosilloではなく、中国で生産すると発表した。
米国へはまず中国製を販売し、その後、追加形式車を欧州から持ち込む。次世代モデルは現行モデルより広く、需要家の求める技術を詰め込んだものとなる。
現モデルは米国と中国と欧州で生産しているが、中国と欧州の設備で次世代モデルを生産する。
Michigan 組み立て工場での現モデルの生産は2018年央で停止する。
Michigan 組み立て工場では、それ以降は、2018年後半にRanger midsize pickup truck を、2020年にBronco midsize SUV を生産するため、雇用は継続する。
Fordは本年1月3日、Trump大統領候補(当時)の反対を容れ、メキシコのSan Luis Potosi での新工場建設計画(投資額 16億ドル)をとりやめ、代わりに米ミシガン州 Flat Rock工場で7億ドルを投じて電気自動車と自動運転車をつくると発表した。
ただし、メキシコの既存のHermosilloで次世代のFocusを生産し、Focusを生産するMichigan 組み立て工場では2種の新しい車種を生産し、3,500人の雇用を維持するとした。
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しかし、Trump 政権はメキシコで生産し、米国に輸入された車に関税や税金を課すなどとして、メキシコ生産に脅しをかけていた。
今回、次世代Focus をメキシコの既存のHermosilloではなく、中国で生産する。
同社では、これにより年間10億ドルのコスト削減になるとしている。
この発表に当たり、印象を和らげるためか、「中国での生産」はタイトルにはなく、タイトルはもう一つの発表の「Kentucky Truck Plant への投資」とした。中国生産は本文での追加記事という形式にした。
同社はKentucky Truck Plantの改造に9億ドルを投資し、新しい Ford ExpeditionとLincoln Navigator を生産する。これらのフルサイズのSUVは世界中の55の市場に向け輸出される。中国にもLincoln Navigator を輸出する。
9億ドルの投資で、1000名の時間給労働者の雇用が生まれる。2015年に13億ドルを投資し、2000名の雇用を生んでいるが、それへの追加となる。
米国ではこの数年、ガソリン価格の低下で大きく、ガソリンを食うSUVやトラックの販売が増加し、小型車の販売は減少している。
本年の最初の5カ月で、Focusの売り上げは前年比で約20%も減少している。
業界のアナリストは、自動車メーカーは一般的に、米国では人気のSUVを生産し、売れ行きのよくない、利益の少ない乗用車は低コスト国に集中する傾向があるとしている。
この発表を受け、Wilbur Ross 商務長官は、「トランプ政権は米国内に工場を設けるよう政策改革を進める」と述べた。
Robert Lighthizer 通商代表は6月22日、議会下院の歳入委員会の公聴会で「very troubling」と述べ、Fordの対応を批判した。
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