日銀、物価2%目標、また先送り

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日銀は7月20日の金融政策決定会合で、2%の物価上昇目標の達成時期をこれまでの「2018年度ごろ」から「2019年度ごろ」に先送りした。物価目標達成の先送りは6回目になる。

会合後に会見した黒田東彦総裁は、デフレマインド的な慣行が根強くあるとあらためて指摘。何回も先送りになるのは残念としながら「企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重だが、物価上昇モメンタムは維持されている」と語った。

日銀は「経済・物価情勢の展望」で、以下の通り述べている。

消費者物価(除く生鮮食品)は、企業の賃金・価格設定スタンスがなお慎重なものにとどまっていることなどを背景に、エネルギー価格上昇の影響を除くと弱めの動きとなっている。 これに伴って、中長期的な予想物価上昇率の高まりもやや後ずれしている。

もっとも、マクロ的な需給ギャップが改善を続けるもとで、企業の賃金・価格設定スタンスが次第に積極化し、中長期的な予想物価上昇率も上昇するとみられる。この結果、消費者物価の前年比は、プラス幅の拡大基調を続け、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。

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2012年12月26日に第二次安部内閣がスタートした。

アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の「三本の矢」を基本方針とした。

2013年3月20日に黒田東彦氏が日銀総裁に就任した。

黒田総裁は就任直後の2013年4月に大規模緩和に踏み切り「2年程度で2%の物価上昇を達成する」と宣言した。

しかし、その後の状況は下記の通り。


日銀は
物価目標達成の先送りを続け、今回は6回目になる。2014年度末には達成するとしたのが、2019年ごろとなっている。

仮にこれが達成できたとしても、早くても、黒田総裁の任期が終わって1年後となる。

しかし、そもそも、「デフレはもっぱら貨幣的現象であり、金融政策によって影響できる」との安倍、黒田理論が誤りであり、このまま金融緩和を続けてもデフレが解消できるとは思えない。

実際には、デフレは貨幣現象ではなく、需要の変化に供給が対応できないためである。

この解決には、需要のなくなった産業への保護をやめ、新しい需要に対応する産業への規制をやめて、供給構造を改変するしかない。

詳細は下記参照  

2017/1/4 アベノミクス4年

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