米防衛産業強化へ大統領令 

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トランプ米大統領は7月21日、防衛産業の強化を目指して部品供給網などの調査を求める大統領令を発令した。

Presidential Executive Order on Assessing and Strengthening the Manufacturing and Defense Industrial Base and Supply Chain Resiliency of the United States

米国で2000年以降、米国の主要企業の 6万以上の工場が閉鎖され、約500万人の製造業の雇用が失われた。米国の製造業が国防のニーズに対応できない恐れがあり、軍需産業の健全性に懸念が生じている。これ以上、工場やサプライチェーンの要素が失われると、国防に必須の能力を創り、維持し、保護し、拡大する能力を損なうこととなる。工場が無くなると、国防に必要な熟練労働もなくなる。

力強い製造基盤、力強い防衛産業基盤、弾力的なサプライチェーンを戦略的にサポートすることは、重要な国家的優先事項である。

防衛産業に関連する製品や部材の国内供給力、問題点、サプライチェーンが切れる可能性、等々を幅広く調査し、270日以内に是正策を含めて報告するよう、国防長官に指示する。

通商政策で「強硬派」として知られるWhite House のPeter Navarro 国家通商会議委員長は、「米国の防衛産業基盤は能力面でギャップが広がっている。潜水艦のプロペラを修理できる会社は1社しかない」と述べた。

その上で、軍用の半導体や軍用機向けの液晶モニターなどの多くが外国製だとし、バランスの取れた貿易を実現し、国内調達を増やす必要があると強調した。


トランプ大統領は4月20日、大量の鉄鋼輸入が米国の安全保障を脅かしている懸念があるとして、米通商拡大法に基づいた鉄鋼輸入の実態調査を米商務省に指示した。

https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2017/04/20/presidential-memorandum-secretary-commerce

4月27日には、アルミニウムについての調査を指示する大統領令を出した。

https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2017/04/27/presidential-memorandum-secretary-commerce


今回の大統領令は232条とは別枠で、輸入制限などの措置には触れていない。ホワイトハウスは防衛産業の強化策として人材育成などを挙げている。

なお、鉄鋼については、トランプ大統領が関税引き上げと輸入割り当てを同時に課す考えを表明したが、米産業界で賛否が分かれている。

輸入鋼材の攻勢を受ける鉄鋼業界は早期の関税引き上げなどを要求しているが、石油業界はパイプラインの価格の上昇につながりかねない制裁措置には反対しており、自動車産業も反対している。

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