昭和電工、インドネシアのアルミナ事業から撤退

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昭和電工は7月24日、インドネシア西カリマンタン州タヤン地区でアルミナの製造を行うP.T. INDONESIA CHEMICAL ALUMINAから撤退すると発表した。

INDONESIA CHEMICAL ALUMINAは2007年2月に昭和電工 20%、PT. Antam Tbk 80% 出資で設立された。

西カリマンタン州タヤン地区でアルミナ及び水酸化アルミニウム を年間30万トン生産し、昭電が20万トン、Antamが10万トン引取る。
2015年2月に商業生産を開始した。

昭和電工の生産技術を導入し、Antam が操業を担ってきたが、従業員の熟練度不足などで操業が安定せず、資金繰りにも困窮していたという。

昭和電工はこれまで、
Antamと再建策の協議を進めてきたが、今回、意見の相違から出資の引き揚げを決めた。

持株全てを売却する方向で、第三者への売却も含めAntamと交渉を進めることを決定した

昭和電工として、持分法投資損失 約100 億円
、特別損失(保証債務、貸付金)約 67億円、合計 約 167億円 を計上した

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アルミナはボーキサイトを原料として生産される。アルミナを電気分解してアルミニウムを生産するが、アルミナ、水酸化アルミニウム自体も下記のような用途がある。

「電気の缶詰」と言われるアルミニウム精錬は、1978年に6社で「164万体制」であったのが、電力料の高騰で競争力を失い、1979年には「110万体制」、1982年に「70万体制」、1986年には「35万体制」となり、1988年には日本軽金属・蒲原の3.5万トンのみとなった。日本軽金属・蒲原もその後、2013年には能力を2600トンとしたが、2014年3月31日に停止した。

昭和電工、日本軽金属、住友化学の3社は、その後もアルミ電解以外の用途のため国内でアルミナを製造し続けた。

各社は輸入したボーキサイトを苛性ソーダで溶融し、水酸化アルミニウムとし、更にこれを焼成してアルミナを製造するが、水酸化アルミの生産時に膨大な量の赤泥ができる。

泥は産業廃棄物であり、産業廃棄物の海洋投棄は、1972年にできたロンドン条約で原則禁止されているが、日本国内法では、赤泥が「例外」に当てはまるとし、海洋投棄を「特別」に認めていた。

しかし、海洋汚染の影響などを考慮し、各社とも自主的に撤退の方針を決めた。

2008/3/8 アルミナメーカー、ボーキサイトの国内精製から撤退へ

日本軽金属はベトナムでの生産を検討したが、2008年7月に撤退を決めた。海外品を輸入している。

住友化学は海外で生産された水酸化アルミニウムを原料に、従来と同等の品質の製品が提供できることを確認し、2010年月に原料の全面転換を行った。

昭和電工は横浜事業所で年産約20万トンのアルミナを生産していたが、2015年までに撤退することを決定した。

2010年8月31日インドネシア政府が65%出資するPT. Antam Tbkと共同で2011年1月よりインドネシア西カリマンタン州でケミカル用アルミナ工場の建設を開始すると発表した。

2010/9/6 昭和電工、インドネシアでアルミナ工場建設 

今後は昭和電工も輸入品を販売すると思われる。

 

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