石油資源開発が参加のカナダブリティッシュ・コロンビア州におけるLNGプロジェクト 取りやめ

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石油資源開発(JAPEX)は7月26日、子会社の JAPEX Montney Ltd.を通じてカナダのブリティッシュ・コロンビア州で検討を進めていたPacific Northwest LNGプロジェクトについて、事業会社のPacific NorthWest LNGが7月25日に事業化を進めないことを決定しと発表した。

本プロジェクトへの参画を決定した時点に比べて、LNGを取り巻く環境は大きく変化しており、現時点でPNW事業を進めないことは合理性があると考えとしている。

Petronasも、長引く価格下落とエネルギー産業でのシフトによるものとしている。

一方、上流事業については、石油資源開発もPetronasも、上流事業価値の最大化を目指すとしている。

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石油資源開発は2013年3月4日、マレーシアの国営石油会社 Petronasとの間で、Petronasが推進するカナダBritish Columbia 州でのシェールガス開発・生産プロジェクトおよび同州西海岸で検討中のLNGプロジェクトに参画することで基本合意したと発表した。

同州 North Montney地域におけるシェールガス鉱区の10%権益を取得するとともに、同州西海岸におけるPacific Northwest LNG Project(生産量1,200万トン/年)の10%権益と同権益比率相当のLNG(120万トン/年)を引き取る権利を併せて取得する。

シェールガス開発は、North Montney地域のAltares、Lily、Kahta鉱区。当初、カナダのProgress Energy Resources Corporationが行っていたが、Petronasは2011年6月にシェール鉱区の権益の50%を取得し、その後2012年6月に、PetronasはProgressを55億カナダドルで買収することで合意し、年末に取得した。

LNG計画は、Petronasが計画したもので、Prince Rupert 市のLelu島で年1,200万トンプラントを建設する。上記の鉱区からガスパイプラインで結ぶ。

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Petronasはその後も参加者を募り、2013年12月にPetroleum Brunei がこの計画に3%の出資を行った。
2014年3月にはインド最大の石油会社 Indian Oil Corporation Limited (IOCL) が10%の参加を決めた。

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2014年4月にSinopec とパートナーの中國華電集團(China Huadian Corporation)の出資が決まった。

三菱ガスは2014年12月19日、JAPEX Montneyに10%出資することで Pacific Northwest LNG Project に参画すると発表した。

JAPEX MontneyはJAPEX 45%、JOGMEC 45%、三菱ガス子会社 MGC Montney Holdings が10%の出資となる。


2014/5/6 
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石油資源開発 は、このLNGを2018年3月からの運用開始を予定している相馬LNG基地を通じて国内に供給する予定であった。同社では、昨今のLNG市況などを踏まえると、当面はLNGの調達については十分な選択肢があると判断している。

石油資源開発では、今回の処理により、約900kmのパイプライン建設計画の解約費用約 65百万カナダドル(日本円約55億円)を特別損失に、またPacific NorthWest LNGに係る持分法による投資損失約37百万カナダドルを営業外費用に、それぞれ計上することにより、合計約1億2百万カナダドル(日本円約87億円)の損失が発生する見込みとしている。

 

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