千代田化工ほかの水素サプライチェーン実証事業

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千代田化工建設、三菱商事、三井物産、日本郵船の4社は、次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合を設立し、世界に先駆けて水素の国際間サプライチェーンの実証事業に本格着手する。

2015年に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会構築技術開発事業/大規模水素エネルギー利用技術開発」の補助事業を受けた「有機ケミカルハイドライド法による未利用エネルギー由来水素サプライチェーン実証」として実施する。

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2013年に水素エネルギーフロンティア国家戦略特区の創設が提案され、62件の提案があったが、その中に川崎市と千代田化工建設が提案した「水素エネルギーフロンティア国家戦略特区」があった。
世界初となる水素の輸入・供給基地を川崎市に建設し、輸入した水素を使う世界初の商用水素発電所を建設するもの。

海外の油田等で出る水素をトルエンに反応させてメチルシクロヘキサンとし、常温で日本に輸送し、日本でこれから水素を取り出すもので、これまでメチルシクロヘキサンから水素を取り出すのは不可能とされていたが、千代田化工が開発した触媒がこれを可能にした。同社は「SPERA水素」(ラテン語で「希望せよ」という意味)の愛称で水素供給事業実現を目指す。

千代田化工は2013年5月31日、有機ケミカルハイドライド法による「大規模水素貯蔵・輸送システム」の実証試験で所期の性能を確認することができたと発表した。

2013/10/29 水素エネルギーフロンティア国家戦略特区

今回、この技術を使い、ブルネイ・ダルサラーム国に水素化プラント、川崎市臨海部に脱水素プラントを2019年までに建設し、ブルネイで調達した水素を、常温・常圧下で液体の形で日本へ海上輸送し、川崎市臨海部で気体の水素に戻して需要家に供給する。

実証規模:1年間で最大210トン(燃料電池自動車フル充填約4万台分) の水素を供給予定

水素供給源:Brunei LNGの天然ガス液化プラントで発生するガスの供給を受け、水蒸気改質により水素を製造

Brunei LNG は年産671万トン、出資はブルネイ政府 50%、Shell 25%、三菱商事 25%

水素供給先:川崎市臨海部の東亜石油京浜製油所域内にて、同社傘下のジェネックスの火力発電設備の燃料用途等に供給


実証期間(予定):

(プラント建設)2017年8月~2019年12月

(実証運転)2020年1月~2020年12月


参考 
 2014/11/24 川崎重工、産業用では初の純国産独自技術の水素液化システムを開発 

          本件及び川崎重工の豪州褐炭からの液化水素輸送計画

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