東芝、東芝メモリの増設を単独実施

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東芝は8月3日、四日市工場にて建設中の第6製造棟に関し、第1期分として予定している次世代の96層積層プロセスを用いた3次元フラッシュメモリ用クリーンルームへの生産設備導入を東芝メモリ単独で実施すると発表した。


四日市工場では、3次元フラッシュメモリの生産拡大のため、第6製造棟を建設中だが、需要拡大が見込まれることから、東芝では本年6月末に、第1期分の生産設備と第2期分の建屋建設投資(総額1800億円)を2017年度中に実施することを取締役会で承認した。

第1期分生産設備としては、96層積層プロセスを用いた3次元フラッシュメモリ固有の製造工程を担う最先端の成膜装置やエッチング装置などを導入する。
第2期分建屋については、2017年9月に起工し、2018年末に竣工する予定。

四日市工場では、フラッシュメモリの生産設備はWestern Digital 子会社のSunDisk とのJVが所有、建屋は東芝が所有し、生産は東芝が実施している。
本年4月に東芝は当該事業を東芝メモリとして分離したため、建屋は東芝メモリが所有、生産は東芝メモリが実施する。

第1期分生産設備については、SunDiskによる投資参加の有無を協議中としていたが、合意にいたらず、東芝メモリ単独で実施することとした。投資額は1950億円に増額した。
但し、東芝は本件についてWestern Digital とは協議を続ける意向。

付記

東芝は9月6日、東芝メモリの新規拠点を岩手県北上市の北上工業団地エリアに決定し、用地拡張に関する調査や自治体との調整などの準備作業を開始すると発表した。
東芝グループのジャパンセミコンダクター(旧岩手東芝エレクトロニクス)隣接地に建設する。

当該新棟への「SunDisc の参画を別途協議する」としている。

2017/9/7 東芝メモリの売却、9月13日に決定 

付記 2017/10/11 発表

需要拡大に対応するため、第1期分生産設備を投資を 1,100億円増額する。(これまで未計上の400億円と2018年度予定分から700億円を繰り上げ)
Western Digital とは協議を続ける意向。

四日市工場では第7製造棟の建設の検討を開始した。「土地買収はまだ済んでいないが、将来に向けて第5製造棟の隣接地を整備していきたい」としている。


生産設備の導入時期は2017年12月を予定している。

東芝メモリは、これにより、データセンター向けエンタープライズSSDやPC向けSSD、スマートフォンなどを中心とした2018年の需要拡大に対応し、事業を拡大し、フラッシュメモリ生産量のうち3次元比率を2018年度 には約90%とすべく、継続的な投資を適切に実施するとしている。

SSD(ソリッドステートドライブ)はNAND型フラッシュメモリを主記憶デバイスとするデータストレージデバイス

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四日市工場のNAND型フラッシュメモリの生産体制は次の通り。(第3製造棟のJV名、出資比率修正)

JV 引取比率
第3製造棟 Flash Partners(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%) 当初は均等引取、
2008/10 改組:30%分は東芝が単独運営、70%分は従来通り JVで均等引取
第4製造棟 Flash Alliance(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%)
第5製造棟 Flash Forward(東芝 50.1% / SanDisk 49.9%) 均等引取
新第2製造棟
第6製造棟 (東芝単独)

  
2017/4/14 東芝の半導体売却に新たな難問 参照

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Fab3はFlash Partners Ltd(東芝持分50.1%)かと思います。

有難うございました。


2004年に「Flash Partners社」を設立したのを、見落としていました。

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