韓国ロッテグループ、持ち株会社制へ一歩

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ロッテ製菓、ロッテショッピング、ロッテフード、ロッテ七星飲料の系列上場会社4社は8月29日、臨時株主総会を開き、持ち株会社制への移行に向けた会社分割・合併の承認を得た。


4社はそれぞれ、投資部門と事業部門に分割し、ロッテ製菓の投資部門が残りの3社の投資部門を吸収合併し、中間持株会社のロッテホールディングス にする。事業部門はそれぞれ、持株会社の子会社として存続する。

4社は4月26日にそれぞれ取締役会を開き、持ち株会社制への移行のための企業分割と分割合併を議決した。 

辛東彬(重光昭夫)会長と対立する兄の辛東主(重光宏之)は会社分割・合併に反対しており、5月に株主総会決議を禁止する仮処分を申請するなど三つの訴訟を起こしたが、いずれも棄却された。

臨時総会の承認により、10月1日が分割合併期日となり、その後、変更上場や再上場の審査などの手続きを経て、10月30日に事業部門4社と中間持株会社の株式取引が再開される予定。

持ち株会社制に移行すれば、 7月末現在67個あるロッテグループの循環出資の輪が18個に大幅に減る。

ロッテグループでは、将来的にこの中間持株会社と韓国ロッテの本社といえるホテルロッテの合併を考えているとみられている。


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ロッテグループの辛東彬(重光昭夫)会長は2015年に、不透明な支配構造を改善するため、グループ企業間で株式を持ち合う「循環出資」をなくし、持ち株会社制へ移行する方針を明らかにしていた。

循環出資を減らすことで支配構造が単純化し、投資と事業部門を分離することで経営効率が上がり、経営が安定するとみられている。

現在の韓国ロッテグループの資本関係は次の通り。

http://mottokorea.com/mottoKoreaW/userfiles/2014/07/lotte07241.jpg


今回中間持株会社をつくる4社の出資関係は次の通りで、上図に加え、それぞれの子会社を加えて循環投資がある。

例えば、ロッテショッピングはテホン企画の株式の34%を持ち、テホン企画はロッテ情報通信の株式の28.5%を持っている。そしてロッテ情報通信はロッテショッピングの株式を4.8%持っている。

ロッテ製菓はロッテフードの株を持ち、ロッテフードはテホン企画に出資、テホン企画はロッテ製菓に出資している。

中間持株会社の設立で、ホテルロッテ(及びロッテアルミ)が中間持株会社に投資、中間持株会社の下に事業会社の4社がくっつく形となる。

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